GISを活用した販売促進その2 -アプローチ方法の選定編-

はじめに

今回は「GISを活用した販売促進」についてご紹介いたします。「NO.12 GISを活用した販売促進 その1」では、「大型高級マッサージチェア」の販促活動としてチラシを配布するには、どのエリアに配布するのが有効なのか、GISを利用して選別しました。 今回はターゲットエリアに対して、どのようなチラシ配布方法が有効なのか、その手法の一つを簡単にご紹介します。

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材料

図1 チラシ配布エリアの抽出(クリックで拡大) (クリックで拡大)
図1 チラシ配布エリアの抽出
(クリックで拡大)

材料1 チラシ配布エリア抽出図

◆下ごしらえ◆
国勢調査データを元にして、延べ床面積100m2以上の世帯が多く、50〜69歳の常住人口が多い地域をクロスランキングで表示し、ターゲットが多いと考えられる町丁目を抽出しておきます。
(詳細は「NO.12 GISを活用した販売促進 その1」をご参照ください)

図2 新聞折込エリア界(クリックで拡大)(図2は今回の説明用に作ったもので、実際とは異なります)
図2 新聞折込エリア界
(クリックで拡大)
(図2は今回の説明用に作ったもので、実際とは異なります)

材料2 新聞折込エリア界
新聞折込の単位です。新聞社毎の折込エリア界データは市販されているものもあります。 折込会社から、新聞社ごとの配布エリア、配布世帯数などの情報が得られれば、自作も可能です。

◆下ごしらえ◆
あらかじめ、延べ床面積100m2以上の世帯数と、50〜69歳の人口数を、各エリア界に集計しておきましょう。国勢調査データを元にして、面積按分処理すれば集計が出来ます。

材料3 国勢調査データと昼間人口データ
国勢調査データの常住人口ではなく、従業地・通学地を反映した昼間の人口のデータ。

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道具

MarketPlanner(マーケットプランナー)
エリアマーケティング専門ツール「MarketPlanner」があれば、統計情報と地図データ、分析ツールが一括で揃うので便利です。

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料理のコツ!?

つくりはじめる前に、今回のクッキングのコツを整理しましょう。
チラシ配布方法には、新聞折込、ポスティング、街頭配布などがありますが、どのようなアプローチ方法が、より地域・ターゲットを絞れるのでしょうか。一般的な特徴を簡単に整理してみましょう。

新聞折込

  • 新聞折込は、“町丁目”単位で配布するのではなく、“折込エリア”といわれる各新聞販売店の単位で配布することができます。
  • 新聞と同時に各家庭内に届けられるため、受け取り側からの信頼感も高く、手にとりやすい方法といえます。チラシ配布の王道とも言えるでしょう。一般的に小売流通の広告はオリコミが主流です。
  • 「NO.12 GISを活用した販売促進 その1」では、ターゲットが多く居住する“町丁目”を抽出しましたが、 ターゲットが多い“町丁目”とターゲットが少ない“町丁目”が同じ折込エリア界に存在する場合もあり、折込エリアによっては、訴求効果が高いエリアと効果が低いエリアが存在する可能性があります。

ポスティング

  • “町丁目”単位で配布ができるだけでなく、戸建てのみ配布・集合住宅のみ配布・事業所のみ配布など選別もできます。ターゲットが多い地域に対して効果的に配布できる方法と言えます。
  • 新聞の購読いかんに関わらず、チラシを配布できますが、“チラシお断り” の住宅もありますので注意したいところです。また、天気次第では延期になることもありますので、事前に確認しておきましょう。
  • ポスティングは単体で配られる分、すぐにゴミ箱へ行ってしまう可能性が高いのが実情のようです。ポスティングをする際には、訴求相手の絞り込みがさらに重要になります。

街頭配布

  • 配布員が声を出しながら配るので認知性が高い他、性別ごとに配れる等のメリットがあります。また、目立つコスチュームを着たり、花粉症の季節には“ポケットティッシュ” 、夏には“うちわ” 等、ノベルティ次第で受け取り率も変ります。
  • 一般的に、自店舗周辺や駅前などでの効果が高いのが特徴です。

その他の地域特定プロモーション

  • タウン誌・フリーペーパーでも、ある程度地域を絞った広告が出来ます。各雑誌の読者層、配布エリア、設置箇所などを各社へ問合せて確認してみましょう。
  • 自治体によっては、広報誌やHPでバナー広告などで企業広告を比較的安価で掲載することも可能です。

看板や交通広告なども地域を絞れる方法です。

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作り方

図3 新聞折込エリアの抽出(クリックで拡大)
図3 新聞折込エリアの抽出
(クリックで拡大)

最初に、新聞折込によるチラシ配布を決めましょう。

材料2の折込エリア界には、あらかじめ、延べ床面積100m2以上の世帯数と、50〜69歳の人口数を、各エリア界に集計しておきました。 この2つのデータをクロスランキング表示させて、ターゲットが多いと考えられる地域を抽出してみましょう。
こうして抽出されたエリアが、右上図3の黄色枠のエリアです。この黄色枠の地域は新聞折込によるチラシ配布をする事にしましょう。

↑図1と同じ図です。(クリックで拡大)
↑図1と同じ図です。
(クリックで拡大)
図4 新聞折込決定エリアとターゲットエリアとの重ね合わせ(クリックで拡大)
図4 新聞折込決定エリアとターゲットエリアとの重ね合わせ
(クリックで拡大)

次にポスティングによるチラシ配布エリアを決定させましょう。

ポスティングは“町丁目”単位で配布ができるので、材料1(図1)のターゲット密度が高い“町丁目”エリア(水色枠のエリア)に対して行いましょう。
「予算がなくて、もう少し配布部数を減らしたい」といった場合には、図3で作成した、新聞折込エリアと、図1のターゲットエリアを図4のように重ね合わせ、新聞折込とポスティングが重複する部分についてはポスティングを行わないなどの策もあります。
今回のマッサージチェアの販促チラシでは、新聞折込とポスティングが重複する“町丁目”エリアへはチラシを配布しないことにします。新聞を購読していない世帯にはチラシが配布されませんが、いたしかたありません。

図5 昼夜間人口差を標準偏差で表示(クリックで拡大)
図5 昼夜間人口差を標準偏差で表示
(クリックで拡大)

次に、街頭配布も検討してみましょう。

ここでは材料3を使います。昼間人口データを利用すると、昼と夜の人口差から、周辺住民の移動人数がわかるようになります。

図5は各町丁目の昼夜間人口差を、標準偏差で色分け表示したものです。■紺色の地域は昼間に人口が“流出” する地域です。■茶色の地域は昼間に人口が“流入” する地域です。人口移動が多いことがわかります。

こうした地域においては、通勤帰宅時間に駅前等人通りの多いところで、街頭配布などをすると、効果が高い可能性があります。

以上のように複数の確度から、チラシの配布方法を検討することで、チラシの無駄打ち、抜け漏れを最小限にすることができるわけです。

チラシ配布エリアと配布方法が決まれば、あとは折込会社やポスティング会社へ依頼することになります。

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おわりに

地域を絞り込むことによって、チラシの訴求内容 、サイズ 、色数、デザイン、配布形態、配布曜日などがより深く検討することができるようになるのではないでしょうか。
さて次回は、配布したチラシの反応はどうだったのか?GISを利用した効果測定についてご紹介いたしましょう。

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マーケットプランナー商圏大勝


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