統計情報の活用その1 -集計単位による統計情報の使い分け-

はじめに

統計情報と一口に言っても、市区町村単位や町丁字単位、500mメッシュ、1kmメッシュなどデータの集計単位により、種類がいろいろあります。 普段何気なくいずれかの種類を用いて分析を行われていると思いますが、実際の違いや使い分けなどについて、再認識をしてみるのもいいのではないでしょうか。

今回は、国勢調査の統計情報を例にとって、集計単位の種類と活用場面を簡単にご紹介します。

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材料

H12 国勢調査データ(3種類)

  • 市区町村別集計
  • 町丁字等別集計
  • 500mメッシュ集計

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道具

MarketPlanner(マーケットプランナー)
エリアマーケティング専門ツール「MarketPlanner」があれば、統計情報と地図データ、分析ツールが一括で揃うので便利です。

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料理のコツ!?

つくり始める前に、今回の料理のコツ、統計情報の集計単位の違いとその用途を整理しましょう。

東京都目黒区東山1-1-2を中心として半径1kmの商圏を描きました。
統計情報のそれぞれの種類で円内の人口総数を集計してみましょう。

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市区町村集計

統計情報の集計単位は市区町村ごとです。 商圏内に一部含まれている渋谷区の人口集計方法は、面積比で求めます。渋谷区の総人口が190,000人とした場合、『面積比 1:9=19,000人:171,000人』となり、19,000人が集計対象となります。
商圏内の総人口:49,951人

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町丁字等別集計

統計情報の集計単位は町丁字ごとです。 商圏内に一部含まれている町丁字の人口集計方法は、面積比で求めます。
商圏内の総人口:55,003人

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メッシュ集計(500m)

日本の国土を約500m四方の網の目上に細分し、この網目1升ごとに統計情報が集計されています。 商圏内に一部含まれている町丁字の人口集計方法は、面積比で求めます。
商圏内の総人口:54,062人

この結果から市区町村と町丁字、メッシュでは大きく集計結果が異なります。 また、比較的狭範囲の町丁字とメッシュ(500m)でも若干の差が生じることがわかります。用途によって統計情報を使い分けしましょう。

上記例では、町丁字等別集計とメッシュ集計による集計結果の差があまりありません。 これは、商圏内の町丁字の1つ1つの面積が割合均一の地域だからです。では、町丁字の面積が大きく違う地域ではどうでしょうか? 1つの町丁字の面積が広い地域の集計で確認してみましょう。


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左図は町丁字とメッシュの図を重ね合わせたものです。

埼玉県桶川市大字川田谷を見てみると、商圏と重なっている部分は、 町丁字は面積の7〜8%、メッシュはほぼ2つ重なっています。

町丁字の総数人口は7280人、メッシュは、それぞれ80人、70人、 重なる部分は面積比で算出されますので、町丁字で集計した場合、約550人、メッシュで集計した場合、約150人となり、集計結果に400人の誤差が発生することが分かります。

この結果、町丁字とメッシュでも面積の大きさにより、集計結果に差が生じることが分かります。今回は町丁字が大きい場合を例にとりご説明しましたが、都市部などでは500mメッシュの方が町丁字の面積よりも大きくなる場合もあります。用途によって、統計情報を使い分けしましょう。

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作り方

店舗を中心とした商圏内の人口情報を取得しましょう。

パターン1

集計条件:
車顧客が多く、比較的広範囲(最長50kmぐらい)から顧客が来る。道路距離と地域の状態を加味して既存店舗周りの統計情報を取得したい。
広範囲で統計情報を収集したいという理由から、国勢調査(市区町村別集計)を利用しましょう。

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【手順】

  1. 既存店を地図上にポイント
  2. 既存店を中心に運転距離50kmの商圏を作成
  3. 統計情報、H12国勢調査(市区町村別集計)を利用して既存店件商圏内の人口を集計
  4. 集計された結果と、店舗名などをラベルで表示
  5. 統計情報、H12国勢調査(市区町村別集計)を人口総数で色分け表示
  6. 集計された結果と、店舗名などをラベルで表示

既存店から50kmの運転距離の範囲や、商圏内の人口数および人口分布状況などが1画面で表示できます。

パターン2

集計条件:
比較的限られたエリア内に出店を行っており、基本的には、地域の区画によりテリトリーを決め、営業を行っている。 今回新たに新規店舗を出店するにあたり、候補物件周辺の統計情報を収集し、広告を配布地域決定の考慮材料としたい。 地域の区画によりテリトリーを決めていることと、広告配布地域決定の材料としたいという理由理由から、国勢調査(町丁字等別集計)を利用しましょう。

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【手順】

  1. 既存店を地図上にポイント
  2. 候補物件を地図上にポイント
  3. 候補物件を中心に半径1kmの商圏を作成
  4. 既存店を中心に半径1kmの商圏を作成
  5. 統計情報、H12国勢調査(町丁字等別集計)を利用して候補物件商圏内の人口を集計
  6. 統計情報、H12国勢調査(町丁字等別集計)を利用してx既存店件商圏内の人口を集計
  7. 集計された結果と、候補地名などをラベルで表示
  8. 統計情報、H12国勢調査(町丁字等別集計)を人口総数で色分け表示

出店候補地の人口比較、候補地域の人口分布が1画面で分かりやすく表現できます。

パターン3

集計条件:
町丁字など地域の境界に根付いたエリアのテリトリーは考慮しておらず、できるだけ、細かい範囲で集計を取りたい。 また、隣接する地域どうしで比較を行い、出店候補地を決める指標としたい。
隣接する地域どうしで比較を行いたいという理由から、ほぼ同一の大きさ及び形状の区画を単位として区分され、軽量比較が容易な、国勢調査(500mメッシュ集計)を利用しましょう。

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【手順】

  1. 候補物件を地図上にポイント
  2. 候補物件を中心に半径1kmの商圏を作成
  3. 統計情報、H12国勢調査(500mメッシュ集計)を利用して商圏内の人口を集計
  4. 集計された結果と、候補地名をラベルで表示
  5. 統計情報、H12国勢調査(500mメッシュ集計)を人口総数で色分け表示

出店候補地の人口比較、候補地域の人口分布が1画面で分かりやすく表現できます。

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おわりに

広告配布エリアを考慮するなど、地域の区画を重視する場合は、市区町村や町丁字を、エリア同士の比較を行ったり、経年変化を確認したい場合は、メッシュ集計を用いるなど、集計の範囲や、目的に応じて、統計情報を使い分けることによって、より欲しい情報に近い数値を得ることができるかもしれません。

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マーケットプランナー商圏大勝


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