商圏作成のテクニック

はじめに

エリアマーケティングツールを使用していると、商圏エリアを作成する機会というのは多いと思います。今回は商圏の作成にあたって、作成方法がわからなくてちょっと悩んでしまうようなケースの対処方法や利用方法についてご案内します。

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作成例① 多次の商圏の作成方法

図①クリックで拡大
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右図①は店舗を中心とした指定距離での商圏で、中心から1km、2km、3kmの商圏を作成したものです。中心となる店舗が登録されていればGISの商圏作成の機能で簡単に作ることができます。では、今度は店舗を中心とした1km、2km、3km、4km、5kmの5次の商圏を作成してみましょう。

図②クリックで拡大
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しかし、このGISの商圏作成機能では3次の商圏までしか作れません(図②)。
さて、どうすれば5次の商圏が作れるのでしょうか?

図③クリックで拡大
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まず、店舗を中心とした1km、2km、3kmの3次商圏を作成しておきます。次に店舗を中心とした3km、4km、5kmの3次商圏をもう一つ作成します。(図③)

図④クリックで拡大
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新たに作成された3次商圏は中心から3kmの円と中心より3km部分から4km部分までのドーナッツ型のポリゴン、中心より4km部分から5km部分までのドーナッツ型のポリゴンの3つのパートで構成されています。このうち、中心から3kmまでの円の部分だけをGISの編集ツール等で削除してしまいます(図④)。

図⑤クリックで拡大
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次に空間解析の内の「アペンド」機能を起動しましょう(図⑤)。
「アペンド」はポリゴン等の入力データセットのデータをターゲットデータセットにそのまま追加する事ができる機能です。この機能を使って店舗を中心とした3km、4km、5kmの3次商圏に、編集を行って4km、5kmだけのポリゴンになった商圏のデータを追加します。

図Bクリックで拡大
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追加して出来たのが(図⑥)の商圏です。
店舗を中心とした1km、2km、3km、4km、5kmの5次商圏が完成しました。

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作成例② 重なり部分だけの商圏を作成

(図Aクリックで拡大)
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(図Bクリックで拡大)
(図Bクリックで拡大)

複数の店舗を使って商圏を作成する場合、店舗同士が互いに近いと商圏が重なり合ってしまう場合がありますよね。(図A)この商圏の重なってしまった部分だけを新たな商圏として抽出する方法をご案内します。
商圏の重なり部分を抽出する為には、空間解析の「インターセクト」の機能を使用します(図B)。

(図Cクリックで拡大)
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「インターセクト」は入力フィーチャ(ポリゴン等)から、空間的に重なる部分のみを結合して、新たに出力フィーチャを作成する事ができる機能です。つまりポリゴン同士が重なる部分を抜き出して、新たなポリゴンを作成することができるのです。「インターセクト」を実行した結果が(図C)です。
商圏同士が重なっていた部分のみを抽出したポリゴンを作成することが出来ました。

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作成例③ 重なり部分だけの商圏を作成

(図Dクリックで拡大)
(図Dクリックで拡大)
(図Eクリックで拡大)
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複数店舗の商圏が二重三重に重なってしまっているようなケース(図D)で、その商圏を使用して統計情報(例:世帯数)を集計して商圏エリア全体の世帯数を求めたような場合、各商圏の集計値を合計してみると商圏同士が重なっている箇所については二重に集計してしまう事になります(図E)。

(図Fクリックで拡大)
(図Fクリックで拡大)

このような場合、重なっている部分を空間解析の「ディゾルブ」機能を使って、1つのポリゴンに編集してしまって、重なりの無い商圏を作成してから集計する事で重複集計させないという方法があります。

まず、商圏全体から重なり部分を別フィーチャに分解する作業を行います。商圏フィーチャを分解する為に空間解析の「ユニオン」の機能を起動しましょう(図F)。

(図Gクリックで拡大)
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「ユニオン」の機能によって3つのポリゴンだった商圏が12個のパートのポリゴンに分解されます(図G)。

(図Hクリックで拡大)
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(図Iクリックで拡大)
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12パートに分解されたポリゴンの内、2重に重なっている3箇所と3重に重なっている1箇所を、「ディゾルブ」の機能で1つのポリゴンに編集するのですが、その為にはポリゴン同士が空間的に同じ位置にあるかどうかを判断する「ディゾルブ」用のキーが必要になります。
空間的に同じ位置で重なっているかどうかのキーには、XYの座標が使えます。GISの機能で12パートのポリゴンそれぞれにXY座標を付加し、X座標とY座標を文字列として1つに結合して「ディゾルブ」用のキーを作成します(図H)。
続いて空間解析の「ディゾルブ」機能を起動して、XY座標から作成した「ディゾルブ」用のキーで結合処理を行います(図I)。

(図Jクリックで拡大)
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「ディゾルブ」処理を行うと重なり部分の無い7パートのポリゴンで構成された商圏が出来ます(図J)。
ポリゴン同士の重複がありませんので、この商圏を使用して集計処理を行えば重複して集計してしまうこともありません。

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おわりに

GISの商圏作成の機能は非常に便利な機能ですが、使い込んでいくと意外に奥が深かったりします。今後も機会があれば商圏の作成例やその利用方法についてのテクニックをご紹介してみたいと思います。

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マーケットプランナー商圏大勝


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