空間解析とは?(インタセクト・ユニオン・空間統合)

位置座標と結びつけることのできるデータを「空間データ」と呼び、この空間データを分析することを「空間解析」と呼んでいます。
例えば、 観測地点の「気温、湿度、雨量等の測定データ」、「SARS等の感染者データ」、「地域別に集計された人口」、「世帯数等の統計データ」、「店舗毎の売上データや顧客データ」も、住所・緯度経度・標準メッシュコード等の地理的な位置情報を含めば「空間データ」になります。
空間データと同様に、空間解析の目的や対象も、原因不明の疾病の環境要因や影響の研究・遺跡の出土情報等の膨大な位置情報を扱う考古学での研究など、学術的にも多岐に渡っています。
本稿では空間解析における「インタセクト」「ユニオン」「空間統合」の3つの活用手法をご説明します。
空間解析の「クリップ」に関してはこちらを、「ディゾルブ」「マージ」の機能に関してはこちらをご覧下さい。

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ある地図で別の地図をくり貫き、両方の情報を持つインタセクト

図① 丁目字界毎の市場占有率地図 (クリックで拡大)

図① 丁目字界毎の市場占有率地図 (クリックで拡大)
図① 丁目字界毎の市場占有率地図 (クリックで拡大)

インタセクトとは、ある地図で別の地図をくり貫き、両方の情報を併せ持つ地図を作成する機能です。

例-1.市場占有率を分析する

ある店舗を展開している会社において、自社の顧客の傾向を分析するために丁目字界毎に市場占有率を算出しました(図①)。市場占有率はその地域に住む顧客を地域の人口で割ることで算出が出来ます。図①においては、赤が濃いほどシェアが高く、黄色が濃いほどシェアが低い地域となります。

図② チラシ配布エリア地図(W駅、K駅半径1kmの地域) (クリックで拡大)

図② チラシ配布エリア地図(W駅、K駅半径1kmの地域) (クリックで拡大)
図② チラシ配布エリア地図
(W駅、K駅半径1kmの地域) (クリックで拡大)

また、店舗の最寄駅である埼玉県W駅、K駅それぞれ半径1KMの範囲に、チラシを配布する計画を立案した際(図②)、チラシを撒いた地域の市場占有率は一体どれだけの数字だったのでしょうか。配布エリアにおいて、市場占有率の情報をくり貫いてみます。

図③ 市場占有率情報を含むチラシ配布エリア地図 (クリックで拡大)

図③ 市場占有率情報を含むチラシ配布エリア地図 (クリックで拡大)
図③ 市場占有率情報を含むチラシ配布エリア地図 (クリックで拡大)

結果が図③に示す通りです。緑色の円で囲まれた地域が、くり貫かれた結果になります。この円形の図形に関係付けられた属性情報を確認すると、図①で作成した市場占有率の情報(緑色)と図②で作成したチラシ配布エリア地図の情報(青色)を両方保有している事が分かります。

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複数の地図を一つにまとめ、両方の情報を併せ持つユニオン

図④ 市場占有率情報を含むチラシ配布エリア地図 (クリックで拡大)

図④ 市場占有率情報を含むチラシ配布エリア地図 (クリックで拡大)
図④
市場占有率情報を含むチラシ配布エリア地図 (クリックで拡大)

(1)では、インターセクトにより2つの地図の属性情報を併せ持つ地図を作成しましたが、くり貫く形になりますので、両方が重なる部分の地図及び属性情報を作成できました。しかし、場合によっては両者の共通部分ではなく2つの地図及び属性情報を全て継承する必要があります。
その場合はどのようになるのでしょうか。例にならって見ていきましょう。

例-2.市場占有率と道路商圏を重ねて分析する

Step-1:
図④は図③で作成した市場占有率情報を含むチラシ配布エリア地図です。

図⑤ ある店舗から運転時間(5分、10分)エリアに配布したチラシ地図 (クリックで拡大)

イメージ図 下
図⑤
ある店舗から運転時間(5分、10分)エリアに配布したチラシ地図 (クリックで拡大)

Step-2:
図⑤はある店舗からの運転時間(5分、10分)を
エリアに配布したチラシ地図です。

図⑥ 2つの地図と属性情報を両方持ち合わせたチラシ地図  (クリックで拡大)

図⑥ 2つの地図と属性情報を両方持ち合わせたチラシ地図  (クリックで拡大)
図⑥ 2つの地図と属性情報を両方持ち合わせたチラシ地図 (クリックで拡大)

Step-3:
これらの④と⑤の二つの地図を1つに合わせ、統合したチラシ配布地図を作成し、出来上がった地図が図⑥です。赤色部分が示すように1枚のチラシ配布地図が作成されます。地図に付帯する情報については、地図右側の表のようにチラシの情報(緑色で囲まれた部分)、運転時間の情報(水色で囲まれた部分)いずれかの情報をもっている形となります。

ユニオンとインターセクトの違いに混乱される方もいらっしゃるかもしれませんが、数学的な表現を使うと(1)で紹介したインターセクトが論理積に、(2)で紹介したユニオンが論理和に相当します。

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2つのデータの位置関係からあるテーマの属性情報へ、同じ位置関係にある別のテーマの属性情報から結合する(空間結合)

図⑦ 2003年度新規顧客位置 (クリックで拡大)
図⑦
2003年度新規顧客位置 (クリックで拡大)
図⑧ チラシ配布エリア (クリックで拡大)
図⑧
チラシ配布エリア (クリックで拡大)
図⑨ 空欄のままの
図⑨ 空欄のままのフィールド

空間結合はこれまでご紹介したものと比べて、パターンが異なります。空間結合を行う対象テーマによって、「最も近い」「中にある」「一部」のいずれかのタイプの空間関係を使い、空間結合を行います。
どれになるかは取り扱うデータの形状が点・面・線のいずれかで異なります。

例-3.「中にある」タイプについて説明します。

Step-1: 店舗の新規顧客を地図上に住所を元に落としました(図⑦ 顧客位置を点で表しています)。
地図上には青い点が表示されています。

Step-2:図④と⑤にあるように店舗は地域に対してチラシを配布しました。
地図上には円内を赤斜線で塗った2つの円と水色、青色2つの多角形の合計4つのエリアを表示しています(図⑧ チラシ配布エリア;面の情報)。

それでは、⑦と⑧の地図の空間結合を実行してみましょう。

Step-3:
図⑦の新規顧客位置(点情報)の内、図⑧に示すチラシ配布エリア(面情報)の「中にある」新規顧客地図(点情報)の属性情報には、チラシ配布の情報が結合されました。「中にない」新規顧客地図(点情報)の属性情報は、配布物のフィールドは空欄のままです(図⑨)。
結果として、顧客位置とチラシ配布エリアの情報の結合により、チラシを配布した地域から来店した新規顧客を抽出する事で、実施したプロモーションの検証を行う事ができます。

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マーケットプランナー商圏大勝


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