空間データマイニングとは?

膨大に収集したデータの中から貴重な「情報」を採掘することを「データマイニング」と呼んでいます。この「データマイニング」にGISの機能を応用した機能を「空間データマイニング」と呼びます。空間データマイニングには従来のデータマイニング技術に「空間情報」というファクターを取り込む事で、地域の特性に関連した新たな知識を得る可能性が秘められています。

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データマイニングとは

図① 流通小売業界では来店顧客情報の収集が商品展開に利用しています
図① 流通小売業界では来店顧客情報の収集が商品展開に利用しています
図② データマイニングとは(クリックで拡大)
図② データマイニングとは(クリックで拡大)

小売店での活用事例を通じデータマイニングをご説明します。

全国に小売店をチェーン展開している企業Aがあります。
この会社では本社と各小売店はネットワークで結ばれていて、本社のコンピュータには各小売店の様々な情報が集まっており、売り上げや商品の在庫状況、来店顧客情報(性別、年代)など店舗毎のあらゆる情報を収集することで、店舗の販売状況、売れ筋商品や不評な商品、来店客の客層(時間帯別の来店客の性別や年代)等を把握して、商品流通の効率化や客層に合わせた商品展開などに利用されています(図①)。

しかし、毎日沢山の情報が集められても、商品の在庫状況や販売状態以外の何か「貴重な情報」が埋もれている事があります。商品や来店されるお客様、時間帯、それらに何らかの関連性はないでしょうか? 全てのデータを見直したところ、ある関連性(法則)が見つかりました。
それは、
「夜20時以降にAという商品を買っていかれるお客様は、高い確率でEという商品も一緒に購入している」というものでした。
このように、集めたデータの中から「今まで見つかっていなかった関連性(法則)」を見つけ出す事をデータマイニング(図②)と呼びます。

上記の例では、データマイニングの対象が店舗内で集めた情報(販売状況や在庫状況など)のみで行なわれていました。 しかし、店舗の販売状況に影響を与えるものは商品の品揃えや店内の業態などといった内因的なものだけとは限りません。店舗の近隣地域内の年代別人口分布、最寄駅からの距離、最寄の主要幹線道路との位置関係、店舗の近くに河川や海、緑地、公園等が存在するか、近隣の大型ショッピングセンターやライバル店舗との位置関係。 それら、店舗の外部(空間)情報が販売状況に大きな影響を与えている可能性もあります。

そうした地域の空間情報をGISから得ることにより、空間情報の側面からデータマイニングの補間を行なう事を「空間データマイニング」と呼んでいます。

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空間データマイニングとは

図③ 空間データマイニングとは(クリックで拡大)
図③ 空間データマイニングとは(クリックで拡大)
図④ 店舗周辺の情報と店舗で集めたデータ等を照らし合わせてデータマイニングを行ないます (クリックで拡大)
図④ 店舗周辺の情報と店舗で集めたデータ等を照らし合わせてデータマイニングを行ないます (クリックで拡大)

上記の企業「A」はGISを利用して各店舗の周辺地域の情報を集め、各店舗の販売担当エリアを商圏として作成し、商圏内の様々な空間情報を集めました。

  • 年代別の男女の人口数
  • 最寄駅からの距離
  • 主要幹線道路からの距離
  • エリア内の学校機関とその位置関係
  • ライバル店の位置や店舗面積等の情報
  • 河川や池、海の存在とその位置関係
  • 公園や緑地の面積と位置情報

こうして集められた店舗周辺の様々な情報と、店舗内で集めた販売データ等と照らし合わせてデータマイニングを行なった(図④)結果、思ってもいなかった現象が見えてきました。

それは

  • 「河川や海などから一定の距離内にある店舗の商品Zは、店舗の敷地面積等に関わらず1週間の販売量がほぼ同じである」
  • 「5歳未満人口が1000人を超えるエリアでは、商品Yが売れ筋商品である、かつ夜20時以降に集中して売れている」
    というものでした。

これらは、全国の店舗から送られてくる販売情報とGISから得られた地域の空間情報により、新たな関連性(法則)が見つけられた一例と言えます。こうした、空間情報と商品の関連性を見つけていけば、商品の流通や在庫管理の最適化や、新規店舗の出店時の商品構成の決定などに応用していくことも可能かです。
この例では、ある一時点での地域情報(空間情報)を基に空間データマイニングを行なっていましたが、一定の時間毎に特定の空間情報の変化を自動的にGISに取り込み、販売情報とリンクさせることで空間データマイニングを行なう方法も考えられます。
一例を挙げますと、店舗近辺の道路情報(工事中や混雑状況等)を一定時間毎にリアルタイムで抽出し、その時の販売情報と照らし合わせて空間データマイニングを行なえば、道路状況による客足や商品の売れ行き等の関連性(法則)を発見する事も可能です。そうして発見した新たな関連性(法則)は、道路状況や時間帯による販売予測や新規店舗出店計画の重要な情報へと結びつける事が出来るかもしれません。

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マーケットプランナー商圏大勝


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