レイヤー構造とは?

レイヤーとは、もともと「層」を意味する単語で、「各種データが描かれた透明な板が何層も重なった状態」を指します。基本の地図に各種データを重ねて、1つの地図画面を構成する状態を、レイヤー構造(階層的構造)と呼びます。GISの大きな特徴の1つに、「地図画面を構成するデータが、レイヤー(階層的な)構造であること」があげられます。レイヤー構造を活用することで「見やすい地図画面」を表示することができます。

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GISとレイヤー構造

図① 紙の地図の場合 (クリックで拡大)
図① 紙の地図の場合
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レイヤー構造とその有効性について、例を用いながらご説明します。

紙の地図では、都道府県などの区画、緑地や河川、道路や鉄道、記号や注記などの情報が、すべて紙面上に描かれています(図①)。

図② 個別のデータを何層にも重ねて背景図を作る(クリックで拡大)
図② 個別のデータを何層にも重ねて背景図を作る(クリックで拡大)

それに対しGISでは、都道府県などの区画を表した地図上(面)に、緑地や河川、道路や鉄道、記号や注記などの個別のデータを何層にも重ね、1つの背景図を構成しています(図②)。

図③ 背景図に、任意に作成した商圏や店舗などのデータを重ねて、1つの地図画面を構成する(クリックで拡大)
図③ 背景図に、任意に作成した商圏や店舗などのデータを重ねて、1つの地図画面を構成する(クリックで拡大)

さらにその背景図に、任意に作成した商圏や店舗などのデータを重ねて、1つの地図画面を構成しています(図③)。

(基本となる地図上に、これら各種データを描いた透明な板を何枚も重ね、それを上から見ていると考えていただくと、イメージがしやすいかもしれません。)

このように、基本の地図に各種データを重ね、1つの地図画面を構成する状態を「レイヤー構造(階層的構造)」と呼びます。

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レイヤー構造による空間的重なりの利用

図④ 商圏と顧客の地図(クリックで拡大)
図④ 商圏と顧客の地図(クリックで拡大)

では、GISの地図画面がレイヤー構造になっていることで、どのような利点があるのか例を用いて説明します。

例-1:「店舗から指定の範囲内に住む顧客を抽出したい」「商圏内の顧客の件数を知りたい」場合

「商圏」という”” のレイヤーと、「顧客」という“” のレイヤーによって構成された地図画面(図4)の例で説明します。地図画面上にある「顧客の点」は、「商圏の面に含まれるもの」と、「商圏の面の外に存在するもの」があります。

図⑤ 商圏と重なる顧客を空間検索する (クリックで拡大)
図⑤ 商圏と重なる顧客を空間検索する (クリックで拡大)
図⑥ このように表示されます (クリックで拡大)
図⑥ このように表示されます (クリックで拡大)

レイヤー構造のGISでは、空間検索という機能を使って「商圏の面に含まれるもの」、つまり「商圏の面と重なった顧客の点」のみの抽出が可能です(図⑤、図6)。

商圏や統計情報を用いた「面と面」のレイヤーの重なりなども、GISの機能で利用されています。例-2で説明いたします。

図⑦ 店舗から2km圏内の総人口を知りたい(クリックで拡大)
図⑦ 店舗から2km圏内の総人口を知りたい(クリックで拡大)

例-2. 「店舗から2kmの商圏内の総人口数を知りたい」場合

「商圏」と「総人口数=統計情報」、2つの“面”のレイヤーが、どの程度重なっているのかを計算し、集計処理をします(図⑦)。

図⑧ 商圏は3市に重なっています (クリックで拡大)
図⑧ 商圏は3市に重なっています (クリックで拡大)
図⑨ 面積按分で総人口数を計算します (クリックで拡大)
図⑨ 面積按分で総人口数を計算します (クリックで拡大)

図⑦は、商圏に対して市区町村単位に分割した統計情報のレイヤーを重ねた状態です。商圏に直接重なっているのは、A市とB市とC市のそれぞれ一部分ですね。その重なり具合は、面積割合でA市が40%、B市が50%、C市が20%です(図⑧)。こうしたケースで商圏内の総人口を集計する場合には、面積按分で総人口数の値を求めます。
仮に、A市の総人口を3万人、B市を4万人、C市を5万人としますと、「商圏内の人口数=30000×40/100+40000×50/100+50000×60/100=5万6000人」という計算が出来ます(図⑨)。

このように、商圏内の総人口数を面積按分で集計できるのも、面のデータがレイヤー構造になっているGISならではの機能です。

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レイヤーの表示優先順位

図⑩ 店舗、顧客、店舗からの運転時間商圏(クリックで拡大)
図⑩ 店舗、顧客、店舗からの運転時間商圏(クリックで拡大)

例-3.「運転時間商圏を使った市場占有率の分析」をする場合

図⑩では背景の地図の上に、店舗、顧客、店舗からの運転時間商圏が表示されています。この顧客のデータを使って、市場占有率の分析を行ってみます。

図⑪ レイヤー表示に隠れて顧客や商圏が見えなくなってしまいました (クリックで拡大)
図⑪ レイヤー表示に隠れて顧客や商圏が見えなくなってしまいました (クリックで拡大)

新たに市場占有率のレイヤーが作成され、地図画面上に表示されました(図⑪)。
市場占有率のレイヤー表示に隠れて顧客や商圏が見えなくなってしまいましたが、これは地図画面が階層の構造により、基本的に上位にあるレイヤーを優先的に表示する仕様になっているため、市場占有率を顧客や商圏より上位に表示する設定だからです。
このGISでは、地図画面の左側にレイヤーの一覧を表示し、上位に表示しているレイヤーから優先的に地図画面上で表示します。

図⑫ 隠れていた顧客や商圏が地図画面上に表示されました (クリックで拡大)
(図11 クリックで拡大)

図⑪の市場占有率のレイヤーの位置を、顧客や商圏より下げてみたのが図⑫です。隠れていた顧客や商圏が地図画面上に表示されました。このように、同じデータが用意されている地図画面でも、「何を優先して表示させたいのか」を任意に調整できるのがレイヤー構造の利点の一つです。

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マーケットプランナー商圏大勝


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