コーポレートプロファイル

経営ビジョン

地球をはかり、未来を創る ~ 人と自然の共生にむけて ~

 「はかる」という言葉はいろいろな意味を持っています。農地の面積など物理的な量を「測る」、道路など公共物の寿命を「計る」、災害の被害状況を「測る」、人の気持ちを推し「量る」など様々です。人類は原始の時代より社会を様々な視点からはかり、その成果を使って社会を発展させてきました。そして私たちは今、地球上に存在するあらゆるものをはかり、それを蓄積することで、「未来を図る」すなわち「未来を予測する」ことも可能になると考えています。
 航空測量会社として創業したパスコは、測量・計測技術によって空から地球上を捉えることだけに留まらず、あらゆる「はかる」を空間情報に融合させ、人と自然が共生した未来社会の構築を目指しています。

 

 

 

経営ビジョン

独自の競争力

 パスコグループは、現在セコムグループの地理空間情報サービス分野を担っています。「地球をはかり、未来を創る」を経営ビジョンに、人と自然が共生する未来社会の構築に努めています。

<3つの優位性で独自の競争力を発揮>

 パスコは、「遠隔の視点(Remote Sensing)」と、「近接の視点(Onsite Sensing)」から地球上のあらゆる事象を捉え、さらにAI やIoT、GIS、画像処理などを活用した「分析・解析技術」を加えた3つの優位性はパスコ独自の競争力であり、これらの優位性を発揮して、事業を展開しています。

3つの優位性で独自の競争力を発揮

遠隔の視点:Remote Sensing

 多彩なプラットホームに最先端のセンサーを搭載して地上の様子を捉えています。常に、最先端の測量・計測技術を積極的に導入し、社会の課題解決に有効な実用化への研究開発にも取り組んでいます。

遠隔の視点:Remote Sensing

近接の視点:Onsite Sensing

 災害、環境、森林、道路、上下水道、都市、ダム、河川、港湾、橋梁など社会のあらゆる課題の現場に身を置き、現場の実態を見て、聞いて、触ることによって社会の現状を捉えています。

近接の視点:Onsite Sensing

 

 

 

3つの事業部門

 パスコグループの事業は、国内公共部門、国内民間部門、海外部門の3つの部門で構成されています。
 創業時から現在まで継続する国内公共部門が全体の約8割を占め、セコムグループ入り以降に開始した民間部門、また、2000年代の初頭から本格的に取り組んだ海外部門を加えた3つの部門で構成しています。

部門 事業概要
国内公共部門 「行政業務の効率化」、「インフラ維持管理」、「防災・減災、国土強靱化」などを推進
国内民間部門 「経営戦略の立案」、「物流の効率化」、「地域分析」などソリューションを提供
海外部門 開発途上国・新興国を中心に「国土空間データ基盤整備」、「環境保全・災害対策」などの事業を推進
3つの事業部門

<部門別売上構成比>

【国内公共部門】

 国内公共部門は、中央省庁や全国に約1,800ある地方公共団体をお客様(発注者)とする行政業務を支援する事業部門です。行政業務の大多数は地図、つまり、位置情報やエリア情報と深く関係すると言われています。測量・計測を行い、その成果を使用目的別に解析・分析・評価したり、日常的に使用する地図をインターフェイスにしたアプリケーション(情報システムサービス)を提供したりする事業となり、安定的・継続的に発生する事業領域と言えます。
 法令に基づく固定資産税の算定や管理、道路や上下水道の維持管理などの定常的に発生する業務が多数ある反面、年度ごとの予算規模や配分によって、変動する業務分野もあります。具体的には、2010年以前、住民サービスの向上や観光・地域振興にかかわる業務が多かったのに対し、昨今では防災・減災、国土強靱化対策の業務が拡大しています。どちらも地図情報(位置やエリア情報)と深くかかわる業務分野であり、パスコの技術が発揮できる分野です。
 事業のサイクルは、行政機関における年度予算の執行に対して、パスコの技術でお応えする提案と見積もりを提出(入札)し、受託(落札)する形式が大多数を占めています。受託が成立する時期は、第1四半期にピークがあり、生産活動は年度末の納期に向け増加する傾向があります。したがって、売上・利益とも、第4四半期に向けて上昇しています。
 また、納品後の入金は年度明けの4・5月に集中することから、年度末において、一時的に借入金が増加しています。

【国内民間部門】

 国内の民間企業をお客様とする国内民間部門は、位置情報や道路ネットワーク情報、統計情報やビッグデータを使って、生産性の向上や事業戦略の策定、意思決定を支援する空間情報サービスの提供が中心になります。加えて、不動産や用地管理のための測量や地図整備などのほか、自動運転を支援する高精度3次元道路情報(ダイナミックマップ)の整備、維持も当分野に含まれます。
 具体的には、物流業務の効率化のための配車計画支援・ドライバーのルートナビゲーションや物流拠点(ネットワーク)の最適化、出店計画や店舗の統廃合のための市場分析(エリアマーケティング)などが上げられます。これらのサービスは、物流業や小売・サービス業のほか、自動車・製造・通信・不動産・金融などのほぼ全ての業種にニーズが存在しています。

【海外部門】

 海外部門の事業は、JICA(国際協力機構)のODA(政府開発援助)予算による開発途上国支援、海外子会社の売上、国際入札による海外プロジェクトで構成しています。これまで、工事進行基準で売上を計上していた当部門の事業は、近年、一部のプロジェクトを完成基準に変更しています。国際入札の海外プロジェクトには、各国の情勢や現地の天候に影響を受け、工期の遅延や事業の凍結などの事業リスクが内在しました。
 そこで2018年3月期から、海外事業の健全化に着手し、安定事業への転換を図っています。まず、国際入札案件のリスク最小化のため、受注優先から利益確保優先に営業戦略を変更。また、海外子会社の事業最適化にも取り組んでいます。

【10年間の部門別連結売上高、営業利益の推移】

 直近10年間の連結売上高と営業利益の推移は以下のグラフの通りです。

(左軸:連結売上高/右軸:連結営業利益、単位:百万円)

10年間の部門別連結売上高、営業利益の推移

 2012年3月期に、国内公共部門の売上が上昇している要因は、2011年3月の東日本大震災に関連する復旧・復興関連業務の増加に起因します。初動としては、陸上・海岸線・海底などのあらゆる場所の被災状況の把握を目的とした測量・計測業務が増加。次のフェーズには、計画・対策や街の復興に関連したまちづくり業務などへ移り替わっています。2014年3月期には、当関連業務で約60億円の規模に到達し、以降、緩やかに減少しています。
 2014年3月期から、営業利益が減少傾向に代わった要因としては、地方公共団体の財政難を回避するための中長期的な自治体運営計画(公共施設等総合管理計画)の策定業務が増加したことによります。本業務は、コンサルティング業務になるため、生産の自動化や省力化が難しい、技術者個人の能力・資格に依存する新たな業務になり、利益率の低迷を引き起こしました。しかし、2017年3月期以降は順調に回復しています。

 

 

 

災害緊急撮影

【空間情報事業者の使命】

 2011年3月11日14時46分頃に発生した東日本大震災。当時、人命救助の「72時間の壁」と言われる間に救援活動に役立つ地図を提供するのは“空間情報事業者の使命だ”との考えから、持てる技術と手法を駆使し、災害対応に有効と考えられる地図情報を被災地や災害対策に従事する地方自治体・政府機関に提供、パスコのホームページ上でも公開しました。

<右図>
 2010年10月21日(発生前)と2011年3月13日(発生後)に撮影した合成開口レーダー(SAR)衛星「TerraSAR-X」の画像を重ね合わせて、仙台市周辺の津波による地形変化図を作成しました。
 この図は「TerraSAR-X」の画像の特性を活かし、地表面の凸凹が変化した箇所を抽出しています。濃い赤または濃い青で表示されている部分が津波で変化した箇所(浸水区域)と考えられます。

 さらに、「人工衛星による青森県から茨城県に至る全域の浸水範囲推定図」の作成に際しては、「TerraSAR-X」のほか、各種光学衛星(WorldView-1・2、RapidEye、ALOS、SPOT-5、EROS-B)の合計194シーン、延べ約56万平方kmの画像を利用しました。
 災害時の状況把握の手段として写真撮影が主流だった当時、パスコは人工衛星の活用を率先して行い、いかなる機関よりも早く、津波被害の全容を把握し、情報を提供することができました。これは、広域災害時の被災状況の把握に、人工衛星が有効であることを社会に示した第一歩であったと自負しています。
 また、仙台市周辺の詳細な被災状況の判読には、パスコが定期的に観測していた被災前の衛星のアーカイブ画像が、被災後の画像との比較で、大変有効でした。

空間情報事業者の使命

<災害緊急撮影事例集「語りかける国土」>

 パスコの事業で欠かせない空間情報の取得技術と処理技術を災害発生時の状況把握に役立てています。災害発生時には、災害の規模、発生地域、被災地の天候状況などを考慮し、人工衛星、航空機、ヘリコプターなどの中から最適な手法を複合して、迅速な状況把握に努めています。特に、合成開口レーダー(SAR)衛星は昼夜を問わず、雲を突き抜けて地表面の情報を取得できるため、悪天候で航空機が飛べない状況下でも被災地域の撮影が行えます。
 パスコはこうして取得した情報から被災箇所の抽出を行い、その結果を、地方自治体や各省庁など関係各機関に提供するとともに、冊子として編集した災害緊急撮影事例集「語りかける国土」の発行や、ホームページでの公開を通じて、二次災害の予防と迅速な復旧活動計画の策定などを支援しています。

当社ホームページ https://www.pasco.co.jp/disaster_info/
Webブック版 https://www.pasco.co.jp/ebook/kokudo/

災害緊急撮影事例集「語りかける国土」

<災害廃棄物処理に貢献:環境大臣賞を受賞>

 2018年12月19日に大規模自然災害に対する貢献を行った団体として、パスコは環境大臣賞を受賞しました。 本表彰は、2018年に発生した「平成30年7月豪雨」、「北海道胆振東部地震」などにおいて支援活動を行った団体などに対し、その活動をたたえるもので、パスコは災害廃棄物処理に関する貢献として表彰されました。

災害廃棄物処理に貢献:環境大臣賞を受賞
災害廃棄物処理に貢献:環境大臣賞を受賞

■平成30年7月西日本豪雨

 航空写真や衛星画像などにより、広域におよぶ被災地の状況把握に有用な情報を提供。さらに、衛星画像などによる差分解析により、土砂災害や洪水範囲の被災建物数を把握、災害廃棄物の発生量の迅速な推計に貢献しました。

■平成30年北海道胆振東部地震

 航空機などで、被災地の状況把握に有用な情報を提供。特に、地盤沈下エリアの被害状況の把握に関しては、衛星画像解析や現地調査などの独自の分析により、被害状況を把握し、災害廃棄物処理の計画立案に貢献しました。

 

 

 

パスコの起源と本業回帰

【株式会社パスコの誕生】

 1953年10月、パシフイック航空測量株式会社として創業。当時の主な事業は、航空機に搭載した航空測量用のカメラで、国土を撮影し、その航空写真をもとに、戦後の復興のために地図をつくることでした。1962年8月には、パシフイック航業株式会社に商号を変更、東京証券取引所市場第二部に上場を果たしました。その後、1974年に、東京証券取引所市場第一部に測量会社として初めて上場、1983年10月に、株式会社パスコに商号を変更し、現在に至っています。

【地図関連事業の拡大】

 1959年には、待望の自社航空機「ビーチクラフトC18S」を導入、増加する政府機関や地方公共団体からの航空測量業務(航空機に搭載したカメラの撮影成果から地図を整備する事業)に対応していました。
 そして、1963年11月、サウジアラビアとクウェートの中立地帯国境確定作業の国際入札に参加、我が国の民間測量事業者として、戦前戦後を通じて初の外国政府からの直接受注に成功しました。
 1973年、リゾート開発プロジェクトにおけるパートナー企業であった米国のESRI社が、環境影響評価業務において、コンピューター解析を行ったことをきっかけに、翌年からパスコでのGIS(Geographic Information System:地理情報システム)活用がスタートしました。GISは、点・線・面などの地理情報やそれぞれの接続関係などを階層構造で管理する画期的なシステムで、地図関連の処理に使用されるロジックのもととなっているものです。パスコは本システムを国内でいち早く採用し、この後、地図情報を頻繁に使用する行政業務において、地図を納品するだけでなく、地図を使うシステムサービスの提案へと事業を拡大して行きました。

地図関連事業の拡大
地図関連事業の拡大

【事業の多角化と本業回帰】

 1966年、パスコはオリンピック後の不況期に深刻な受注難に直面しました。当時、経営危機を打開するため景気サイクルの異なる事業に取り組み、景気動向に左右されない盤石な経営体制を構築するため、多角化方針を打ち出しました。1969年の不動産・リゾート開発事業、1980年代には、コンビニエンスストア事業や飲料事業を次々に開始し、業績を伸ばしました。しかし、バブルの崩壊と共に、当該事業が衰退、本業回帰を決断し、セコム株式会社の第三者割当増資を受け、1999年に本業によるパスコの再生がスタートしました。

 

 

 

経営理念・経営方針・会社概要

【経営理念】

  1. 空間情報事業を通じて、安心で豊かな社会システムの構築に貢献する。
  2. 社会的に公正であることを判断基準として、法令遵守、社会倫理を尊重し、常に正しさを追求する。
  3. お客様の信頼を誇りに、最高レベルの空間情報を提供する。

【経営方針】

 常に世界一の空間情報事業者であるために、革新的な思考と行動により、常に変化を創造し行動する。

<品質方針> 高品質のサービス提供を通じて、お客様や社会からの信頼を得る
<環境方針> 環境負荷を低減する企業活動と環境に配慮した地理空間情報事業を提案する
<情報管理方針> 個人情報を含む全ての情報資産を適正に管理、運用し、お客様や社会からの信頼を得る
<労働安全衛生方針> 労働環境を適正に管理、運用し、心身ともに健全な人材による企業活動を実践する
<人材育成方針> 最高レベルの知識と技術を追求し、高い倫理観を持ち、自らの意志による行動力のある人材を育成する

【会社概要】

【商号】
株式会社パスコ
【創業年月日】
1953年10月27日( 設立1949年7月15日)
【本社所在地】
東京都目黒区東山1-1-2
【資本金】
87億5,848万円
【株式上場】
東京証券取引所 市場第一部(証券コード:9232)
【連結売上高】
519億円
【グループ従業員】
2,693人
【発行可能株式総数】
40,006,199 株
【発行済株式数】
14,770,266 株
【単元株式数】
100 株
【株主数】
8,346 名
【拠点・グループ会社】
<国内> 国内47都道府県に支店・営業所を配し、主要6都市(仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)に生産拠点、埼玉、大阪、沖縄に集中処理センター、沖縄に人工衛星との通信拠点(地球局)を置き、生産体制を充実しています。
<海外> タイ、フィリピン、インドネシアなどに拠点を置き、世界の空間情報ニーズに応えています。
【役員】
取締役会長 小松 良平
代表取締役社長 島村 秀樹
常務取締役 伊東 秀夫
取締役 高山 俊
取締役 川久保 雄介
取締役 高橋 識光
取締役 神山 潔
取締役 日根 清
社外取締役 高村 守(独立役員)
社外取締役 中里 孝之(独立役員)
常勤監査役 龍口 敦
監査役 出井 則行
社外監査役 笠松 重保(独立役員)
社外監査役 長坂 省(独立役員)