持続可能な道路施設の維持管理には、現況を正しく把握し、ライフサイクルコストの最適化を図るため、道路と付帯設備を統合的に管理することが望まれています。
しかし、現状では、道路情報は２次元的に記録された道路台帳で、道路付帯設備や地下埋設物などは別の台帳で、それぞれが管理されています。これらの情報をすべて３次元化し、バーチャル空間上で統合管理することで、正確な現況の把握と点検や維持管理業務の省力化が期待されています。
パスコでは、詳細な路面状況を含む道路空間全体を計測する新たなコンセプトの計測車両システムを開発。本システムによって、一度の走行で道路空間の３次元計測、路面性状調査、全周囲画像を一挙に計測することで、道路面の変状やマンホールから周辺構造物の３次元データを一元管理し、点検・維持管理の効率化を推進しています。
このほか、航空機やドローン、地上据え置き型計測システムなど、さまざまな計測技術により、あらゆる道路環境に対応した最適な計測手法によって３次元データ化を実現します。
道路の３次元計測で取得するデータは、膨大な情報量になります。これら膨大なデータをストレスなく処理する道路管理用データプラットフォームとして、社内で長年活用してきたシステムをお客様にも提供しています。
本システムは、道路面のデータはもちろん、地下埋設物や周辺構造物のデータ、周辺画像などの３次元データを統合的に管理する道路管理者目線で開発したものです。現地に出向くことなく簡易計測したり、変状を確認したりすることができる機能を備えており、道路関連施設の日常点検や維持管理、災害時の復旧計画の策定など、さまざまな場面でご活用いただけます。
一度の計測走行で道路空間の３次元点群計測と路面性状調査、全周囲画像を取得。膨大な道路ストックの舗装健全度（ひび割れ・わだち掘れ・平たん性）を自動解析することで客観的・定量的に評価します。
航空機やドローンに搭載したレーザー計測システムから、地表にむけてレーザーを照射することで、３次元座標を取得します。
長距離の道路の計測や、植生下の地形の計測、工事進捗状況の計測に有効です。これらの手法を地域や地形、成果用途に応じて使い分けています。
道路や周辺構造物、地下埋設物にいたるまで、すべてを３次元データ化し統合することで、ひとつの画面上で全ての情報を参照することができます。さらに、既存の帳票や台帳などのほか、２次元図面もデジタル化して３次元データと統合することで、これまで以上の、業務の効率化や管理の高度化を実現します。
そのためには、環境に応じた最適な計測技術の活用と、データを効率的に管理するマネジメントツールが必要不可欠です。
MMSで撮影・計測した道路の膨大なデータを写真はもちろん、３次元データまで一元管理できるクラウドサービス。タブレットでも閲覧できるため、点検などの現場作業時にも参照できます。
道路の地下に設置されている河川施設の実際の現場において、安全性の向上を目指し、センサーや各種ICT機器を用いた新たな点検手法の検討を行った事例です。３次元空間上に情報を統合することで、これまでにはできなかったさまざまなことが可能になりました。
