パスコの衛星活用ビジネス
新たな衛星活用分野
“NewSpace”への挑戦

政府が2017年5月29日に発表した「宇宙産業ビジョン2030」には、宇宙産業は我が国の第4次産業革命を牽引する成長産業の一つと位置付けられています。人工衛星の製造や打ち上げに伴うコストの大幅な低減によって、宇宙利用ユーザーの裾野が拡大するとともに、利活用サービスの事業領域においても民間事業者の参入が進んでいます。また、ベンチャーを含む民間企業での人工衛星の打ち上げ、ロケットサービスの展開も既に進んでいます。

衛星データは、日本国内に留まらず、全世界の変化を客観的に把握することで、データに基づいた政策や企業戦略を支援することを可能にします。パスコはこれまでの豊富な実績とノウハウに新たな衛星データを有機的に融合させるとともに、オープン化させるビッグデータとも連携して、人々の安心・安全を見守り、ヒト・モノの効率的な移動を支え、政策決定や経営戦略の策定を支援することで、未来社会の構築に挑戦します。

パスコの特徴

2つの視点から社会の事象を捉え、
分析・解析技術を使って、
社会の課題を解決

パスコは、人工衛星、航空機、ドローン、専用車両、測量船などの多彩なデータ収集プラットフォームから事象を捉える「Remote sensing:遠隔の視点」と、災害・環境・森林・農業・漁業・道路・上下水道・都市計画・固定資産・ダム・河川・港湾・橋梁などの実際の現場から事象を捉える「Onsite sensing:近接の視点」に、分析・解析技術を加えた空間情報サービスの提供によって社会の課題解決に努めています。

Remote sensing
~遠隔の視点~

Remote sensing~遠隔の視点~

Onsite sensing
~近接の視点~

Onsite sensing~近傍の視点~

NewSpace ビジネスへ

AI × 衛星データ × 空間情報

パスコの衛星ビジネスは、2005年から着手、2007年から本格化しています。開始当初は、入手が困難とされていた衛星データを身近で有効な情報として活用してもらうため、商業衛星データの普及と流通促進に努めました。並行して、衛星データの活用方法を社会に提案することを目指し、衛星データの分析・解析手法の研究開発を重ね、現在では、衛星データを活用したソリューションを創り出し、社会の課題解決に努めています。そして、今、新たな衛星活用ビジネス「NewSpace」への挑戦を開始しました。

経験・実績

衛星地上局と衛星運用の実績を保有

衛星の共生
Tip & Cue

国内外の衛星データ販売とデータ活用のコンサルティング

解析/変化から
判断材料の提供

画像解析・変化抽出から目的別ソリューションサービスを提供

NewSpaceへ

国内外のパートナー企業やベンチャー企業と連携してNewSpace事業を拡大

パスコの宇宙アセット

パスコが販売権を保有する人工衛星のデータから、衛星活用ソリューションサービス、地上局ネットワークサービス(衛星運用設備やノウハウ)に加え、衛星画像の解析技術やノウハウなど、パスコの宇宙アセットの一部をご紹介します。

衛星データ販売

<光学>地球観測衛星

太陽を光源として地球上を撮像する光学衛星は、一般の方でも視覚的に分かりやすいフルカラー情報が得られます。
搭載されているセンサーの種類により、数十センチの分解能(解像度)を持つ衛星や一度に広範囲を撮影可能な衛星など、使用目的によって使い分けることができます。
以下、パスコが取り扱い可能な代表的な衛星をご紹介します。

衛星名 Pléiades/プレアデス
Pléiades/プレアデス
SPOT6&7/スポット
SPOT6&7/スポット
ASNARO-1/アスナロ
ASNARO-1/アスナロ
サンプル画像 サンプル画像 サンプル画像 サンプル画像
特徴 世界でも高水準の地上分解能を誇る光学衛星。
周回軌道上の対局に配備された
2基の衛星によって撮影可能頻度を向上させています。
撮影幅が広い中分解能の光学衛星。
周回軌道上の対局に配備された
2基の衛星によって撮影可能頻度を向上させています。
経済産業省のプロジェクトで開発し、
打ち上げられた高分解能光学衛星。
日本電気株式会社が衛星を開発し、
パスコは地上システムを開発しました。
運用者 【フランス】
Airbus Defence & Space
【フランス】
Airbus Defence & Space
【日本】
パスコ
地上分解能
(解像度)
50cm(パンクロマティック)
2m(マルチスペクトル)
1.5m(パンクロマティック)
6m(マルチスペクトル)
50cm(パンクロマティック)
2m(マルチスペクトル)
撮影幅(直下視) 20.0km 60.0km 10.0km
撮影頻度 毎日(2基体制) 毎日(2基体制) 毎日(1基体制)
高度 694km 694km 504km
運用期間 1A:2011年12月~
1B:2012年12月~
SPOT6:2012年9月~
SPOT7:2014年6月~
ASNARO-1:2014年11月~

【ALOS-3(2020年度に打ち上げ予定)】

ALOS-3は陸域観測技術衛星「だいち」(2006~2011年)の光学ミッションを引き継ぐ地球観測衛星で、2020年度に打ち上げが予定されている光学衛星です。
大型化・高性能化したセンサーを搭載し、広い観測幅(直下70km)で高い地上分解能(直下0.8m)を実現します。

株式会社パスコは、民間事業者の活力活用を目指すJAXAとの契約に基づき、ALOS-3の地上システム開発、衛星運用およびデータ販売を含めた事業を実施しています。

【ALOS-3(2020年度に打ち上げ予定)】
項目 仕様
ミッション機器

【パンクロマチックバンド(白黒)】
 地上分解能:0.8m  観測幅:70km

【マルチスペクトルバンド(カラー)】
 観測波長帯 : 6バンド
   : コースタル、青、緑、赤、レッドエッジ、近赤外域
 地上分解能:3.2m  観測幅:70km

サイズ/質量 5.0m(X)×16.5m(Y)×3.8m(Z)(太陽電池パドル展開時)/約3トン
設計寿命 7年以上
運用軌道 太陽同期準回帰軌道 高度669km
回帰日数 35日
降交点通過地方太陽時 10時30分±15分
プライムメーカー 三菱電機株式会社
  • ALOS-3は、2020年度の打上げに向けて、準備が進められています。
  • 打上げ後、校正検証を経てデータの提供・販売を開始する予定です

<SAR>地球観測衛星

合成開口レーダー(SAR)衛星は、電波の反射情報から地表面を観測します。このため、天候の影響を受けにくく、悪天候時や夜間においても地表面の情報を取得できます。パスコでは、Lバンド、Cバンド、Xバンドと3つのバンドの合成開口レーダー(SAR)画像を取り扱っています。
パスコが取り扱い可能な代表的な衛星をご紹介します。

衛星名 TerraSAR-X/
テラサーエックス
TerraSAR-X/テラサーエックス
RADARSAT-2/
レーダーサットツー
RADARSAT-2/レーダーサットツー
ALOS-2/
エーロスツー
ALOS-2/エーロスツー
サンプル画像 サンプル画像 サンプル画像 サンプル画像
特徴 波長は約3cmと非常に短く、
mm単位の細かな変動観測に向いています。
波長が約5cmと短く、
海上や海氷の情報を得ることを得意としています。
波長が約24cmと長く、
植生域を含む観測に向いています。
バンド X C L
運用者 【ドイツ】
DLR(Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt)
【カナダ】
MDA (MDA Geospatial Services INC. )
【日本】
JAXA(宇宙航空研究開発機構)
地上分解能(解像度) Staring SpotLight 25cm SPOT Light 1m 3m
撮影幅(直下視) 4km ×3.7km 18km ×8km 55km ×70km
回帰日数 11日 24日 14日
高度 514km 798km 628km
運用期間 2007年6月~ 2007年12月~ 2014年5月~
衛星活用ソリューション

<地盤変動モニタリングサービス>

合成開口レーダー(SAR)衛星で撮影した画像をもとに、地盤の変動が生じた「エリア」と「傾向」をメッシュや等高線表示で可視化するモニタリングサービスを提供しています。
本サービスは、埋立地のほか、空港、ガスなどの貯蔵施設、発電所などの大規模施設やその周辺、地下鉄、トンネルなどの地下工事に伴う地盤沈下の計測手法として活用いただいています。
従来は、地上に測量機器を設置して、沈下量を計測していましたが、この新しい手法では、広範囲に及ぶ地盤の変動を定期的に、“面”として捉えることができます。

<地盤変動モニタリングサービス>

<農地モニタリングサービス>

地域農業の活性化のためには、耕作放棄地、遊休農地など、農地の利用状況を把握する必要があります。
本サービスでは、利用状況調査の効率化を支援するために、光学衛星で撮影した画像(地上解像度 1.5m)と農地地番図の2つの情報を重ね合わせて、現地調査用の基礎資料と図面を提供します。例えば図のような葉色マップを作成し、4月に撮影した画像と7月に撮影した画像を比較することで農地の利用状況を確認することができます。4月の黒色と7月の緑色は農地を示していますが、4月は耕作前のため植物の活性度が低く、7月の緑色は耕作中のため植物の活性度が高くなっています。

<農地モニタリングサービス>

<土地被覆分類マップサービス>

合成開口レーダー(SAR)衛星画像にAI技術(深層学習/ディープラーニング)を適用することにより土地被覆分類マップを自動生成します。異なる二時期の土地被覆分類マップの差分から、都市の変化状況を抽出し、土地被覆変化マップを生成します。
抽出する土地被覆分類は、「人工物」「裸地」「水域」「草地」「森林/樹木」に大別されます。また、それぞれの状況を地図表現するほか、面積の推定や複数時期の変化過程から都市化や森林減少の速度も推計できます。

<土地被覆分類マップサービス>
地上局ネットワークサービス

パスコでは、「地上局ネットワークサービス(レンタルサービス)」を行っています。本サービスでは、沖縄県糸満市に保有する衛星地上局と提携する国内外の衛星地上局の設備やその運用体制を、衛星事業者やロケット事業者に対して提供しています。また、その運用の内容は、衛星へのコマンド送信、衛星からのテレメトリデータ(機能監視データ)受信と観測データの受信、ロケットテレメトリ受信代行などです。

パスコでの運用実績は、Airbus Defence and Space 社(フランス、Airbus グループ)が保有するTerraSAR-X シリーズ(TerraSAR-X & TanDEM-X)、Pleiades シリーズ(Pleiades 1A & Pleiades 1B)、SPOT シリーズ(SPOT 6 & SPOT 7)等があります。また、国内の衛星では、ASNARO-1があり、衛星管制センターを社内に持ち、パスコの衛星地上局ネットワークを利用した衛星管制、データ受信の実証運用を3 年以上にわたり実施してきました。さらに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の支援として、2017 年12 月23 日に打ち上げられたH2-A 37 号機ロケットと2018 年1 月18 日に打ち上げられたイプシロンロケット3 号機の追尾をパスコの衛星地上局ネットワークで行い、ロケットからのテレメトリデータを受信、種子島宇宙センターへ伝送しました。

地上局ネットワークサービス
解析・分析技術

<衛星画像×AIによる解析技術>

パスコでは、衛星画像の解析にAI技術を実装する研究開発に、2014年から取り組んでいます。
そして、2018年6月に、アメリカ合衆国ユタ州ソルトレークシティで開催された世界で最も権威のあるコンピュータビジョンと画像認識の国際会議のDeepGlobe Satelliteチャレンジ(国際コンペ)では、建物抽出部門で、パスコの衛星事業部のチームが、独自の深層学習によるAI技術で、建物の最高認識率を達成し、優勝しました。

<衛星画像×AIによる解析技術>

<AIによる車両台数推定解析>

大型店舗や港湾での駐車台数は、売上などの経済指数と関係があります。本解析は、高分解能光学衛星で撮影した駐車場の画像から、AIに車両の形状を学習させることで、駐車車両の台数を推定する手法です。

<AIによる車両台数推定解析>

<干渉SAR解析>

合成開口レーダー(SAR)衛星で取得した観測日の異なる2時期以上のSARデータ(反射情報)の位相から、地表面などの変位を測定する解析方法を干渉SAR解析と言います。SAR干渉画像は、2時期のSARデータの位相の差から求められる相対変位置を表す縞模様が特徴です。

<干渉SAR解析>

<ミリ単位の地盤変動解析>

合成開口レーダー(SAR)衛星で取得した複数時期のXバンド衛星画像を用いた解析により、ミリ単位の変動把握が可能です。約3cmの波長の位相から、目視では判読できない微細な地盤や構造物の変動・変位を可視化するのに適しています。

<ミリ単位の地盤変動解析>

<災害緊急撮影>

災害から人々の命を守り、経済損失の軽減を図るため、災害発生直後に、最新の人工衛星や航空機による撮影能力を生かし、被災地の緊急撮影を行っています。撮影成果は、広範囲の被災状況の確認のほか、流出土砂量や災害廃棄物量の推定、被災家屋の自動判定などの解析・分析にも活用されています。
これらの成果は、国や地方自治体などの関係機関に提供し、災害の復旧・復興、二次災害の防止などにご活用いただいているほか、ホームページでの公開、情報資産としての資料集として編集し、配布しています。

▼Webブック版はこちら
https://www.pasco.co.jp/ebook/kokudo/

<災害緊急撮影>

衛星ビジネスの変遷

(主な衛星ビジネス関連報道発表集)

2019年 先進光学衛星(ALOS-3)の提案活動を開始
スカパーJSAT株式会社と宇宙事業における業務提携を締結
2018年 インドネシア航空宇宙研究所(LAPAN)との協力合意書を締結
パスコが保有する設備と運用体制のレンタルサービス「衛星地上局ネットワークサービス」を開始
2017年 衛星画像とAIを活用した「都市変化解析マップ」と「駐車車両推計マップ」の提供を開始
地球観測衛星から地表の変動を解析する「衛星による変動モニタリング」サービスを開始
2016年 人工衛星画像で農地管理業務の効率化を支援
2014年 Airbus Defence and Space社のジオ・インテリジェンス製品の日本総代理店権を取得
光学衛星SPOT-6/7の撮影データの直接受信権を取得
陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)データ等の配布開始について
高分解能合成開口レーダー衛星「RADARSAT-2」撮影データの国内独占販売権を取得
2011年 超高解像度光学衛星「Pleiades(プレアデス)」の打上げ成功
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)の運用参加について
2009年 北海道に人工衛星受信局(地球局)の整備を決定
2008年 衛星を使い国土のモニタリングを開始
2007年 合成開口レーダー(SAR)衛星「TerraSAR-X」のサービスを開始
2005年 航空測量のパスコが衛星事業に本格参入