パスコは、保有する豊富な人工衛星画像を用いたAI技術の研究開発に2013年から取り組んでいます。
また、2014年~2016年には、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)が支援する衛星データのビジネス利用を推進するためのビジネスインキュベーション施策を加え、これらの研究開発を加速させてきました。
AI技術を活用することで、従来得ることができなかった解析結果を短時間・低コストで抽出することが可能です。
さまざまな社会の課題へ素早く適応させることが可能な技術として多くの企業が注目しています。
近年、人工衛星、飛行機、ヘリコプター、ドローン、車両などの空間情報の収集手段が多様化し、それらの収集技術の進歩も伴い、得られる空間情報は爆発的に増加しています。 また、これらを処理するコンピュータ技術の進化は、解析処理によるAI技術の実装を可能にしました。
深層学習(※1)手法の一つである畳み込みニューラルネットワーク(以下、CNN)(※2)は、画像認識分野で用いられ、大量の画像を学習した結果、画像を分類する能力は人間を超える性能を発揮すると言われています。このため,パスコでの取り組みでは,主にCNNを利用した画像解析を実施しております.
合成開口レーダー(SAR)衛星(※3)にAI技術を適用させることで、土地被覆分類マップを自動生成します。そして、異なる二時期の土地被覆分類マップを比較し、都市の変化状況を抽出することで土地被覆変化マップを生成します。
抽出する土地被覆分類は、「人工物」「裸地」「水域」「草地」「森林/樹木」に大別されます。また、それぞれの状況を地図表現するほか、面積の推計や複数時期の変化過程から都市化や森林減少の速度も推計できます。
<土地被覆分類マップ> | 土地利用の実態把握 都市計画やインフラ整備計画 |
<土地被覆変化マップ> | 違法開発、違法伐採、不法投棄などの監視 災害時の被災エリア検出 都市開発や大規模工事の進捗管理 市場分析 |
高分解能衛星画像(※4)(50cm分解能)で撮影した駐車場の撮影画像にAI技術を適用することにより、駐車車両の台数を推計します。隣接した車両間の境界を明確に判読することは衛星画像の解像度に大きく依存するため、正確な台数を数えることは人間の目視による手法でも困難です。そこで、画像中の駐車車両をオブジェクトとして抽出するのではなく、画像から駐車車両の台数を直接推定する手法を開発しました。
例えば、国内外の港湾のモータープールに駐車している輸出入台数を観測することで、高潮等の被害を最小限に抑え、且つ被災時の影響を迅速に把握することが可能になります。
また、本解析手法は、建物棟数などの車両以外の対象物の抽出への適応が可能です。
経済活動モニタリング、災害対策 など
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