2010年1月 ハイチ大地震における被災度推定

ハイチ共和国(以下ハイチ)時間の2010年1月12日16時53分(UTC=21時53分、日本時間=13日6時53分) 、ハイチの首都ポルトープランスの西南西25kmでM7.0(アメリカ合衆国地質調査所発表、以下USGSと略す)の地震がありました。ハイチでのこのような大きな地震発生は1860年以来のことです。
USGSによる震源速報では、震央は北緯18.457度、西経72.533度、震源の深さは13kmで、今回の地震はエンリキロープランタンガ-デン断層帯の左横ずれの断層活動によって発生したとされています。
マグニチュードが7.0と大きく、震源が浅い地殻内の地震のため、大きな被害が出ており、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、1月22日現在111,481人の死亡がハイチ政府により確認されるなど、単一の地震災害としては近年空前の大規模なものとなっています。

TerraSAR-X(合成開口レーダ)による撮影

パスコは合成開口レーダ衛星TerraSAR-X(テラサーエックス)によって撮影された震源に近いハイチの首都ポルトープランスを含む範囲の画像を解析し、都市部における建物倒壊等の被災箇所推定を実施しました。
本地図は2009年10月13日に撮影された画像と地震後の2010年1月20日に撮影された画像から、建物等の変化に起因する後方散乱強度の違いに着目し、被災度評価を試みたものです。


撮影実施

撮影日時 2009年10月13日 10:44(UTC)
2010年 1月20日 10:44(UTC)
撮影モード StripMapモード
入射角 39.1度
撮影軌道 ディセンディング(下降軌道)
偏波 単偏波(HH)
位置図イメージ
TSX撮影画像イメージ
ハイチ地震 地震後TerraSAR-X画像と震央・断層の位置関係図

SAR画像判読結果
2009年10月と地震後の2010年1月に撮影された画像の後方散乱強度を比較し、変化した箇所を赤く表示しています。
これらの変化箇所は地震による建物の被害や道路等に散乱した瓦礫などである可能性があります。
SAR画像判読結果
画像解析から得られた結果を用いて、250m四方での被災程度を表示したものです。色が濃くなるほど被災したと推定される建物等の面積が大きいことを示します。

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情報掲載履歴

第一回掲載 2010年1月26日(火)
第二回掲載 2010年1月27日(水)

災害発生に伴い被災状況の把握および関係各団体への情報提供の観点から、直ちに株式会社パスコは天候の影響を受けないSAR衛星画像による被災箇所の推定を実施しました。


被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。
弊社では災害状況の的確な把握と被災地の復旧に、空間情報の処理および解析技術と防災コンサルティング技術がお役に立てるよう、より一層努力してまいります。


< TerraSAR-X : InfoterraGmbH, Distribution [PASCO] >
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