台風12号は9月3日午前、高知県に上陸し、四国中国地方を横断して4日未明に日本海に抜けました。この間、紀伊半島を中心に九州~北陸地方にかけて大雨が降り、特に奈良県上北山村周辺では1,800mmに達する豪雨となり、十津川や熊野川等の河川沿いでは洪水による浸水等で多大な被害が発生しました。
平成23年9月8日撮影 航空写真(斜め撮影)
平成23年9月6日撮影 航空写真(斜め撮影)
平成23年9月5日撮影 合成開口レーダー(SAR)衛星「TerraSAR-X」
TerraSAR-Xから解析した推定浸水区域図
平成23年9月5日撮影 航空写真(斜め撮影)
三重県紀宝町・和歌山県新宮市周辺
和歌山県那智勝浦町周辺
和歌山県田辺市周辺
平成23年9月4日撮影 合成開口レーダー(SAR)衛星「TerraSAR-X」
撮影諸元
撮影時刻 | : | 2011年6月19日 6:01(JST) 2011年9月 4日 6:01(JST) |
入射角 | : | 35.3度 |
撮影モード | : | StripMap モード |
偏波 | : | HH |
プロダクト | : | EEC |
右図は洪水前(2011年6月19日撮影)と洪水後(2011年9月4日撮影)の画像を重ね合わせたものです。
この図中で赤色に表現されている部分が洪水による浸水範囲と推定されます。特に顕著な箇所として、三重県側では熊野川支流相野谷川流域(三重県南牟婁群紀宝町)や神内川、市木川、志原川流域等に浸水が見られます。また、和歌山県側では太地西方の太田川流域や那智川下流域等で浸水が認められます。
「TerraSAR-X」が照射するマイクロ波は平滑な水面では反射強度が弱く、暗く写るという特徴があります。
洪水前(2011年6月19日撮影)の画像と比較すると、熊野川下流域や三重県側の中小河川、和歌山県側の太田川流域等に暗く写る箇所(浸水域)が拡大している状況が確認できます。
2011年9月4日のTerraSAR-X撮影時点における紀伊半島東部の天候は雨でした。
上記画像は降雨の最中でも撮影が可能な合成開口レーダー(SAR)衛星「TerraSAR-X」ゆえに撮影できた画像です。
(右の「解析雨量・降水短時間予報」の画像は気象庁ホームページより引用しています)
情報掲載履歴
第1回掲載:2011年9月5日(月) 14:10
第2回掲載:2011年9月5日(月) 17:30
第3回掲載:2011年9月7日(水) 11:50
第4回掲載:2011年9月8日(木) 16:10
第5回掲載:2011年9月9日(金) 10:40
第6回掲載:2011年9月12日(月) 11:40
災害発生に伴い被災状況の把握および関係各団体への情報提供の観点から、直ちに株式会社パスコは天候の影響を受けないSAR衛星画像による被害箇所の推定を実施しました。
また、2次災害を回避できる天候を待って直ちに株式会社パスコと国際航業株式会社は共同で航空写真撮影を実施いたしました。
被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。
弊社では災害状況の的確な把握と被災地の復旧に、空間情報の処理および解析技術と防災コンサルティング技術がお役に立てるよう、より一層努力してまいります。
<TerraSAR-X : InfoterraGmbH, Distribution [PASCO]>
<撮影 株式会社パスコ・国際航業株式会社>
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