起源と沿革
パスコの起源と本業回帰
株式会社パスコの誕生
1953年10月、パシフイック航空測量株式会社として創業。当時の主な事業は、航空機に搭載した航空測量用のカメラで、国土を撮影し、その航空写真をもとに、戦後の復興のために地図をつくることでした。1962年8月には、パシフイック航業株式会社に商号を変更、東京証券取引所市場第二部に上場を果たしました。その後、1974年に、東京証券取引所市場第一部に測量会社として初めて上場、1983年10月に、株式会社パスコに商号を変更し、現在に至っています。
地図関連事業の拡大
1959年には、待望の自社航空機「ビーチクラフトC18S」を導入、増加する政府機関や地方公共団体からの航空測量業務(航空機に搭載したカメラの撮影成果から地図を整備する事業)に対応していました。
そして、1963年11月、サウジアラビアとクウェートの中立地帯国境確定作業の国際入札に参加、我が国の民間測量事業者として、戦前戦後を通じて初の外国政府からの直接受注に成功しました。
1973年、リゾート開発プロジェクトにおけるパートナー企業であった米国のESRI社が、環境影響評価業務において、コンピューター解析を行ったことをきっかけに、翌年からパスコでのGIS(Geographic Information System:地理情報システム)活用がスタートしました。GISは、点・線・面などの地理情報やそれぞれの接続関係などを階層構造で管理する画期的なシステムで、地図関連の処理に使用されるロジックのもととなっているものです。パスコは本システムを国内でいち早く採用し、この後、地図情報を頻繁に使用する行政業務において、地図を納品するだけでなく、地図を使うシステムサービスの提案へと事業を拡大して行きました。
事業の多角化と本業回帰
1966年、パスコはオリンピック後の不況期に深刻な受注難に直面しました。当時、経営危機を打開するため景気サイクルの異なる事業に取り組み、景気動向に左右されない盤石な経営体制を構築するため、多角化方針を打ち出しました。1969年の不動産・リゾート開発事業、1980年代には、コンビニエンスストア事業や飲料事業を次々に開始し、業績を伸ばしました。しかし、バブルの崩壊と共に、当該事業が衰退、本業回帰を決断し、セコム株式会社の第三者割当増資を受け、1999年に本業によるパスコの再生がスタートしました。
沿革
- 1953年 (昭和28年)
- パシフイック航空測量株式会社として創業
- 1960年 (昭和35年)
- 航空機使用事業免許取得
- 1962年 (昭和37年)
- パシフイック航業株式会社に社名変更
東証第二部に上場 - 1974年 (昭和49年)
- 測量業界初、東証第一部上場
地理情報システム(GIS)導入 - 1981年 (昭和56年)
- 米国ESRI社のGIS基本ソフト販売開始
- 1983年 (昭和58年)
- 株式会社パスコに社名変更
- 1987年 (昭和62年)
- わが国初のGPS測量実施
- 1992年 (平成4年)
- 野辺山宇宙観測所電波ヘリオグラフの精密測量実施
- 1995年 (平成7年)
- GISで阪神大震災、復旧支援
国土空間データ基盤推進協議会の設立参画 - 1997年 (平成9年)
- リニアモーターカー実験線のGPS計測実施
- 1998年 (平成10年)
- 統合型GIS「PasCAL」販売開始
- 1999年 (平成11年)
- 品質マネジメントシステム(ISO 9001)認証取得
セコム資本参加 - 2000年 (平成12年)
- フルデジタル測量技術導入
- 2002年 (平成14年)
- ESRIジャパン株式会社設立
情報セキュリテイマネジメントシステム(ISO/IEC 27001)認証取得 - 2003年 (平成15年)
- パスコ・タイ設立
エリアマーケティング「MarketPlanner」サービス開始
環境マネジメントシステム(ISO 14001)認証取得
配送計画支援システム「LogiSTAR」販売開始 - 2004年 (平成16年)
- 神戸自律移動支援プロジェクト参画
デジタル画像自動処理システム稼動開始 - 2005年 (平成17年)
- TeraSAR-Xの撮影データ国内独占販売権取得
プライバシーマーク(JISQ 15001)認定取得 - 2006年 (平成18年)
- インドネシア PT. Nusantara Secom InfoTechがグループ入り
帰宅支援マップサービス開始 - 2007年 (平成19年)
- TerraSAR-X打ち上げ成功・サービス開始
事業継続計画(BCP)策定支援サービス開始
測量業界初、沖縄に衛星受信設備開設 - 2008年 (平成20年)
- 衛星を使った国土モニタリングを開始
- 2010年 (平成22年)
- ベルギー Aerodata社がパスコグループ入り
モービルマッピングシステム(MMS)全国配備 - 2011年 (平成23年)
- 自治体向けGISクラウドサービス「PasCAL for LGWAN」サービス開始
空間情報収集・解析で東日本大震災、復旧支援 - 2012年 (平成24年)
- 東日本大震災被災地初、宮城県岩沼市防災集団移転促進事業造成開始
- 2013年 (平成25年)
- MMS高精度高速道路三次元アーカイブ提供開始
- 2014年 (平成26年)
- 「RADARSAT-2」の撮影データ販売権取得・サービス開始
「ALOS-2」の撮影データ販売権取得・サービス開始
災害リスク情報サービス「DR-Info」サービス開始
Airbus Defence and Space 社総代理店契約を締結
株式会社サテライトイメージマーケティングがパスコグループ入り - 2015年(平成27年)
- ALB(航空レーザ測深機)を国内民間企業で初導入
東京都心エリアのリアルな3次元空間写真データを提供開始 - 2016年(平成28年)
- 「森林GISクラウドサービス」提供開始
空間情報収集・解析で平成28年熊本地震災害、復旧支援
ダイナミックマップ基盤企画株式会社の設立・運営の幹事会社として参画
「国土強靭化貢献団体」としてレジリエンス認証取得
ICT土工向けi-Construction専用ソフトウェアサービス提供開始
アセットマネジメントシステム(ISO 55001)認証取得 - 2017年(平成29年)
- 山岳トンネル工事におけるCIM用ソフトウェアを開発
オリジナル地図作製サービス「Mappin' Drop」提供開始
空間情報収集・解析で平成29年7月九州北部豪雨災害、復旧支援
ダイナミックマップ基盤企画株式会社へ出資
ITサービスマネジメントシステム(ISO/IEC 20000-1)認証取得
クラウドセキュリティ(ISO/IEC 27017)認証取得 - 2018年(平成30年)
- 「パスコグループ中期経営計画2018-2022」を策定
株式会社日立システムズとの協業により、ドローンによる3次元測量の支援サービスを開始
物流業界の課題解決を支援するため、株式会社ナビタイムジャパンと業務提携
空間情報収集・解析で平成30年7月豪雨(西日本豪雨)災害、北海道胆振地震災害、復旧支援
平成30年度大規模自然災害等の被災地域支援活動に対し、環境大臣賞を受賞 - 2019年(令和元年)
- 公共事業における測量・調査・計画から、用地の確保、土地所有者の調査や補償コンサルタント等の業務をワンストップで提供するため、東電用地株式会社と業務提携
衛星地上局の共同利用と衛星データ利活用分野の新事業創出を目指し、宇宙関連事業でスカパーJSAT株式会社と業務提携
ドローン搭載型グリーンレーザースキャナの実用化研究に成功、販売開始
米国ヴェリスク・アナリティクス社と戦略的パートナーシップ提携に向けた覚書を締結
最新の航空レーザー計測機を導入
空間情報収集・解析で台風19号災害、復旧支援