3つの事業部門

3つの事業部門

パスコグループの事業は、国内公共部門、国内民間部門、海外部門の3つの部門で構成されています。
創業時から現在まで継続する国内公共部門が全体の約8割を占め、セコムグループ入り以降に開始した民間部門、また、2000年代の初頭から本格的に取り組んだ海外部門を加えた3つの部門で構成しています。

部門 事業概要
国内公共部門 「行政業務の効率化」、「インフラ維持管理」、「防災・減災、国土強靱化」などを推進
国内民間部門 「経営戦略の立案」、「物流の効率化」、「地域分析」などソリューションを提供
海外部門 開発途上国・新興国を中心に「国土空間データ基盤整備」、「環境保全・災害対策」などの事業を推進

部門別売上構成比<部門別売上構成比>

国内公共部門

国内公共部門は、中央省庁や全国に約1,800ある地方公共団体をお客様(発注者)とする行政業務を支援する事業部門です。行政業務の大多数は地図、つまり、位置情報やエリア情報と深く関係すると言われています。測量・計測を行い、その成果を使用目的別に解析・分析・評価したり、日常的に使用する地図をインターフェイスにしたアプリケーション(情報システムサービス)を提供したりする事業となり、安定的・継続的に発生する事業領域と言えます。
法令に基づく固定資産税の算定や管理、道路や上下水道の維持管理などの定常的に発生する業務が多数ある反面、年度ごとの予算規模や配分によって、変動する業務分野もあります。具体的には、2010年以前、住民サービスの向上や観光・地域振興にかかわる業務が多かったのに対し、昨今では防災・減災、国土強靱化対策の業務が拡大しています。どちらも地図情報(位置やエリア情報)と深くかかわる業務分野であり、パスコの技術が発揮できる分野です。
事業のサイクルは、行政機関における年度予算の執行に対して、パスコの技術でお応えする提案と見積もりを提出(入札)し、受託(落札)する形式が大多数を占めています。受託が成立する時期は、第1四半期にピークがあり、生産活動は年度末の納期に向け増加する傾向があります。したがって、売上・利益とも、第4四半期に向けて上昇しています。
また、納品後の入金は年度明けの4・5月に集中することから、年度末において、一時的に借入金が増加しています。

国内民間部門

国内の民間企業をお客様とする国内民間部門は、位置情報や道路ネットワーク情報、統計情報やビッグデータを使って、生産性の向上や事業戦略の策定、意思決定を支援する空間情報サービスの提供が中心になります。加えて、不動産や用地管理のための測量や地図整備などのほか、自動運転を支援する高精度3次元道路情報(ダイナミックマップ)の整備、維持も当分野に含まれます。
具体的には、物流業務の効率化のための配車計画支援・ドライバーのルートナビゲーションや物流拠点(ネットワーク)の最適化、出店計画や店舗の統廃合のための市場分析(エリアマーケティング)などが上げられます。これらのサービスは、物流業や小売・サービス業のほか、自動車・製造・通信・不動産・金融などのほぼ全ての業種にニーズが存在しています。

海外部門

海外部門の事業は、JICA(国際協力機構)のODA(政府開発援助)予算による開発途上国支援、海外子会社の売上、国際入札による海外プロジェクトで構成しています。これまで、工事進行基準で売上を計上していた当部門の事業は、近年、一部のプロジェクトを完成基準に変更しています。国際入札の海外プロジェクトには、各国の情勢や現地の天候に影響を受け、工期の遅延や事業の凍結などの事業リスクが内在しました。
そこで2018年3月期から、海外事業の健全化に着手し、海外子会社の事業の最適化をはじめとした海外事業の安定化を図りました。これにより、売上高への貢献度は低下しましたが、利益の改善につなげることができました。