測量・計測技術航空機
航空レーザー測量
航空機(固定翼、回転翼)に搭載したレーザー測距儀で、広域な範囲の地上又は水域の3次元地形情報(XYZ)を測る技術です。航空機は、固定翼(セスナ)・回転翼(ヘリコプター)と2つのプラットフォームから用途に合わせて選択し使用します。固定翼は、飛行速度が回転翼より速く、1回辺りの航続時間が長いため、広範囲の計測に適しています。一方で、回転翼は飛行速度を遅くすることができるため、固定翼より高密度計測が可能です。こうした特性を考慮し、お客様の要望に合わせた機材選定を行っています。
3次元空間情報で建設業界のDXを推進「インフラDX」
「陸部と水部を同時計測する航空レーザー測深器 ALB」やレーザー計測について、テキストと画像ではお伝えしきれない情報を動画でご紹介しています。パスコCIMソリューションページでは、その他にも、河川、港湾、海岸、道路、インフラ管理に関連する様々な技術なども動画でご紹介していますので、ぜひ、ご覧ください。
パスコの航空レーザー測量技術が選ばれる理由
パスコは陸上部のレーザー計測を行う機器のほか、2015年には国内民間企業で初となる水底部のレーザー測深が行える機材を導入するなど、航空レーザー測量に関する技術革新を行い、空間情報の総合企業として皆様のご要望にお応えしています。
航空レーザー測量(計測)の出力表現
陸上部の航空レーザー測量(計測)
パスコでは、固定翼(セスナ)および回転翼(ヘリコプター)による計測を行っています。これらの手法を地域や地形、成果用途に応じて使い分けています。レーザー測量(計測)は、機体に搭載したレーザー測距装置から、地表に向けてレーザーパルスを照射します。取得した点群データの位置座標(X,Y,Z)の算出は、航空写真測量の技術と同様、機体の位置と姿勢(傾き)は、GNSS/IMU(位置・姿勢計測システム)より求められます。
固定翼、回転翼とも最大2,000,000回/秒のレーザーパルスを照射することが可能です。また、Full Waveform Digitizer 機能(波形記録)を搭載しており、地物からの強い反射パルスだけではなく、弱い反射パルスも連続的に取得し、レーザーパルス情報をより多く取得する事が可能です。森林内部、下層植生の把握や、地表面到達率の向上を高めることで、精度の高い微地形が作成可能です。
地表面や地物(樹木や建物)の面形状を高密度かつ高精度に計測を行い、後処理にて3次元計測データを作成します。求められた成果からさらに、フィルタリング処理を行い、地表面のデータを作成します。
回転翼によるレーザー測量の特色
- 1回あたりの飛行航続時間が短いため、小さい面積の計測に適している
- 地形に合わせた柔軟な飛行が可能であり、山間部、路線、狭い範囲の計測に適している
- 低い高度から計測することが可能で、高密度のデータ取得が可能
水底部の航空レーザー測量(計測)
水中地形を把握する測量技術は、測量船に音響測深機を取り付け、発射する音波の反射時間を計算して水深に換算する計測手法が主流です。
航空レーザー測深機(ALB:Airborne Laser Bathymetry) は、測量船が進入できない浅瀬や岩礁エリアの水中地形を上空から効果的に計測する技術です。
さらに、ALB は、陸上部と水面を計測する近赤外レーザー(波長1,064nm)と水中部を計測する緑色レーザー(波長532nm) を同時に照射し、 水面反射するパルスの往復時間と、水を透過し水底で反射するパルスの往復時間差から水深を算出して、陸上部と同時に水中部の3次元座標を計測するシステムです。
また、同時に高解像度デジタル航空カメラでの撮影を行うため、3次元情報と共に、フルカラーおよび近赤外画像データの取得も行います。