事業環境保全

再生可能エネルギーの導入支援

パスコは、航空写真測量に始まり、衛星地上観測、航空機レーザー計測、精密測量、海底地形計測、空間情報解析など、基礎技術の進展や調査ニーズの変化に合わせて多様なサービスを開発・実用化してきました。
そして、持続可能性の向上のために変化し続ける日本社会に対応しそのニーズを満たすよう、洋上風力発電や陸上風力発電、大規模太陽光発電など、「再生可能エネルギー事業と地域との共生」の支援という、新しい取り組みに挑戦しています。

再生可能エネルギーの導入支援

自治体による再生可能エネルギー導入検討に向けた支援

化石燃料に依存しない低炭素社会の実現に向け、様々な再生可能エネルギーが重要なエネルギー源として世界的に期待されています。
国内でも、陸上風力発電や太陽光発電、国の力強い導入促進施策に後押しされ近年開発が加速化する洋上風力発電など、特に2000年代に入ってから、様々な種類の再生可能エネルギーが身近に見られるようになりました。この自然資源の活用は、地域エネルギー問題対策や地域活性化の方向転換に向けた推進力としても期待されています。持続可能な地域活性化の仕組みづくりの一環として地域エネルギー事業の促進に取り組むなど、自治体や地域の企業が主体となって再エネ導入を進める動きが見られるようになりました。
しかしながら、土地の開発は、経済的な効果と同時に周辺地域の環境に変化を与えることも事実です。この変化が地域の望まぬ影響とならないよう、近年、開発事業の計画的誘導(ゾーニング)に取り組む自治体が増えています。ゾーニングの結果を踏まえて事業計画が立案されることにより、地元の理解が得られやすくなります。
また、このゾーニングの手法やゾーニング協議の機会を活用して、洋上風力発電などの大規模発電事業の事業性が高い地域などにおいて、地域発電の導入可能性や活用について、地域とともに検討を行うケースもあります。パスコは、自治体における大規模発電導入可能性検討の取り組みパートナーとして、各種調査及びコンサルティングを積極的に実施しています。

再生可能エネルギー発電事業開発に向けた支援

パスコは、官公庁開発事業および民間開発事業に向けて、環境アセスメント(環境影響評価)手続支援、環境調査・予測・評価、陸域から水中までの地形・地質調査などを長年実施しています。近年では、民間発電事業者の環境面での事業支援者として、陸上風力発電や太陽光発電、洋上風力発電など、大規模再生可能エネルギー発電事業開発に向けた調査・コンサルティング等の支援を積極的に実施しています。
特に環境アセスメント手続支援においては、全国各地における手続支援や環境調査・予測・評価、環境行政業務支援の経験に基づいて、事業の方針や計画と連動した手続計画立案に向け、アセスの企画から支援します。もちろん、事業の各段階で必要な各種調査(海底地形調査、海象調査、鳥類調査、漁業調査、景観調査)、測量調査、埋蔵文化財調査についても、事業や現地の状況に合わせて調査手法を提案します。

支援メニュー1 導入可能性エリア検討(ゾーニング)

環境の保全と開発事業の円滑誘致を両立するには、自治体・事業者・地域住民など、関係者間で十分に事前調整を図る必要があります。
パスコは、地域や地域環境に適切に配慮しながら再生可能エネルギーを円滑に導入することを目的とした、地方公共団体による導入可能性エリア検討(ゾーニング)事業を支援しています。自治体主導による導入可能性エリア検討では、開発事業の導入や実施にかかる諸条件(環境保全、事業性、社会的調整に係る情報)を地理的に重ね合わせ、各地域における導入可能性を総合的に評価します。
さらに、これらの情報について、有識者や地域関係者で構成する検討委員会などにおいて過不足等を確認しながら、「保全エリア」「導入可能エリア」等の区域設定について協議を重ねて検討します。この結果を地図の形で視覚的に理解しやすいよう取りまとめたものが「ゾーニングマップ」です。このゾーニングマップ作成においては、既存資料を分析し、不足情報をいかに効率的かつ効果的に補完するかが課題となります。パスコは、環境アセスメント手続支援や環境アセスメントデータベース整備等の経験を活かし、効率的かつ円滑な資料収集や、GISを用いた高度なゾーニングマップの解析、ゾーニング協議会の補助等を実施しています。

陸水域の環境調査・予測・評価 / 海域の環境調査・予測・評価 / 地形・地質調査 / 空間情報解析による業務支援

ゾーニング検討の概要

支援メニュー2 地域関係者の理解醸成

大規模再生可能エネルギーの導入検討においては、導入促進候補地の抽出やその事業性等について専門的知見や地域関係者からの意見を得るために、地域住民や学識者等による検討会において定期的に協議を重ね、地域の合意形成を図ります。この検討会では、導入可能性調査等の進捗や結果を確認し、検討に第三者意見を取り込むとともに、地元での合意形成を図ります。
また、この検討会を中心に、地域が主体となって発電事業と地域の共生のあり方を考える機会を創出します。 パスコは、このような検討会等の運営補助において、事業検討や地域合意形成に向けて地域が様々な視点において地域の将来の姿を議論し、また、より客観的に検討へ取り組めるよう、効果的な情報提供に努めています。

地方公共団体等における検討委員会等の運営支援 / 空間情報解析による業務支援

支援メニュー3 適地選定調査

再生可能エネルギー発電施設開発事業では、事業の採算性や実現性を見据えた導入場所の選定が課題となります。適地選定調査では、発電事業計画に係る重要な環境条件(海象、風況、海底地形等)を様々な手法を用いて調査し、その結果に基づいて対象地域のポテンシャルを最大限に活用できる立地を検討します。
パスコは、GISを活用した適地選定を支援しています。国や地方自治体、民間企業が整備する基盤情報や環境情報の活用による低コスト運用についてはぜひご相談ください。

空間情報解析による業務支援 / 海域の環境調査・予測・評価 / 陸水域の環境調査・予測・評価 / 地形・地質調査

流況調査(ADCP)
適地選定システム

支援メニュー4 発電事業の環境アセスメント手続支援

パスコは、太陽光(メガソーラー)・陸上風力・洋上風力発電事業の環境アセスメント手続きについても、配慮書作成から方法書・準備書・評価書作成、事後調査フェーズまで、総合的に支援しています。事業の構想段階においては、事業実施に伴う環境アセス法・条例手続きをはじめ、自然公園法の手続きや景観予測、動植物調査、貴重種調査や移植業務等、環境への配慮事項を抽出し、事業を円滑に進めるための手続計画を提案します。
なお、風力発電事業特有の影響項目である低周波音やシャドーフリッカー、バードストライク、洋上・沿岸風力発電における水中騒音等による漁場環境への影響などの予測・評価などにも対応可能です。

開発事業に伴う環境アセスメント / 地方公共団体等における検討委員会等の運営支援