測量・計測技術車両

MMS
(モービルマッピング
システム)

MMS(モービルマッピングシステム)で
道路周辺の3次元測量

MMS(Mobile Mapping System:モービルマッピングシステム)とは、3次元レーザー計測機とデジタルカメラによって、道路面および道路周辺の3次元座標データと連続カラー画像を取得する車両搭載型測量システムです。
パスコはMMSを活用し、道路維持管理業務の効率化や高度化を図り、社会インフラのライフサイクルコストの最適化、長寿命化を支援するとともに、自動運転に必要なダイナミックマップの構築を支援しています。

MMS<br />(モービルマッピング<br />システム)

一度の走行で道路周辺の情報を一挙に取得

MMSとは、「走りながらスピーディに高精度の3次元空間情報を取得する測量システム」です。 車両にレーザー計測機、GNSS装置、IMU(慣性装置)、デジタルカメラを搭載。これらによって道路面および道路周辺の3次元座標データと連続カラー画像を取得します。 移動体でありながら連続的に自己位置と姿勢を計測し、空間的・時間的にセンサーを管理することによって、正確な3次元データ(座標点群)と、これに重なる連続したカラー画像を同時に取得することで、道路空間を効率的に測量できます。 MMSは、道路などの地上を走行しながら測量を行うため、上空の障害物などに左右されない効率的な測量を実現します。

ますます広がるMMSの活用分野

MMSで取得できるデータは、3次元走行軌跡データ 、3次元レーザー点群データ、カメラ画像データです。これらのデータを重ね合わせることで、施設の現況把握や維持管理、基盤情報の構築、防災・減災にむけたシミュレーションなど、さまざまな場面で活用することができます。

道路台帳・基盤地図の整備(道路現況調査)

取得した道路画像と3次元点群データから、 地図の基本となる道路敷および道路骨格データを縮尺1/500精度で作成できます。道路周辺地物の3次元データを高効率・低コストに測量でき、現地作業での道路占用時間も軽減。正確かつ精密な現況把握が可能です。

法面点検

MMSで取得した高密度な点群データから、落石ネットや吹付モルタルなどの構造物の変状を二時期の測量成果の差分から把握し、道路法面の点検に活用いただけます。また、長距離レーザーによるオーバーハングした岩塊の把握や、反射輝度を活用した流水・地下水の滲出箇所の抽出など、道路防災点検にも活用いただけます。

特殊車両通行許可申請

MMSで取得した幅員・路肩のほか、歩道橋や電線などを含む高精度な3次元道路空間データと3次元的な車両走行軌跡を仮想空間上で干渉チェックすることで、通行許可申請の手続の迅速化と道路交通上の安全確保を支援しています。

3次元道路施設管理

MMSで取得した地上のデータと、地下埋設物のデータを統合することで、構造物の全体的な形状や地上施設との関連性を簡単に把握できるようになります。 

BIM/CIM・インフラDX

自動車専用道路など、立入困難な工事箇所での起工前測量の代用として、足場設置や、機材・資材置場の検討などに活用いただけます。

除雪車の自動運転

除雪車オペレータの高齢化・人材不足対策として、除雪車の自動運転化が進められています。
積雪前に計測したMMS成果から道路施設(縁石、橋梁ジョイント部等)等が網羅されたの3次元地図を作成し、除雪車の自動操作やガイダンスシステムとして活用されています。

浸水シミュレーション

取得した道路映像と3次元点群データから、現実空間と同様の3次元モデルを構築。バーチャル3次元空間上で浸水時のシミュレーションなどに活用することができます。高精度な道路空間データを用いることで、道路の水勾配など詳細な道路形状を表現できるので、現実に近い詳細なハザードマップの作成も可能です。

災害後の二時期の道路比較

平時より蓄積したMMSのアーカイブデータを活用することで、災害時の被災状況の把握に活用することができます。二時期の3次元データ比較により、土砂災害時の土砂堆積状況の把握や、土量計算も3次元データ上で算出できます。復旧に向けた資料としても活用いただけます。

自動運転向けダイナミックマップの構築

MMSの測量成果から生成する高精度道路基盤情報は、自動走行の基盤地図となるダイナミックマップの構築に必要不可欠な情報です。 パスコでは、高精度道路基盤情報をさらに進化させ、各種データや制御システムとの連携により、自動走行システムの実現を支援しています。