事業海外展開
政府開発援助の活動支援
空間情報技術で政府開発援助の活動を支援
パスコは、アジア諸国を中心に、アフリカや中南米地域を含む全世界を対象として、政府開発援助(Official Development Assistance: ODA)事業(技術協力、無償資金協力等)に携わっています。特に、国土管理のための地形図作成については、四半世紀以上にわたり、各国を支援してきました。

実績一覧
年 | 国 | 分野 | 件名 |
---|---|---|---|
2024-2028 | カンボジア | 電子基準点 | 全国電子基準点網整備計画 |
2024 | カンボジア | 調査 | 2024 年度 Smart JAMP スマートシティ実現に向けた調査検討業務(インフラ 維持管理) 【調査件名】 カンボジア国スマートシティに向けた土地管理のための国土基盤データ(地理空間情報インフラ)の整備・維持管理 |
2024-2027 | 東ティモール | 地理空間情報・地図 | 東ティモール国適切な土地管理のための地形図作成能力向上プロジェクト |
2023-2027 | ジブチ | 地理空間情報・地図 | デジタル地理情報の管理及びデータ共有能力開発プロジェクト |
2023-2025 | パラグアイ | 宇宙技術 | パラグアイ国社会経済開発に向けた宇宙計画管理プロジェクト |
2022-2025 | 全世界 | アドバイザー | 2022-2024年度リモートセンシングデータ(RS)および地理空間情報の利活用に関する専門技術アドバイザリー業務 |
2022-2025 | ブータン | 地理空間情報・地図 | デジタル地形図整備計画 |
2021-2024 | カンボジア | 電子基準点 | 土地管理及びインフラ開発のための電子基準点整備プロジェクト |
2020-2025 | ブータン | 地理空間情報・地図 | 国土空間データ基盤構築を通した地理空間情報活用推進プロジェクト |
2020-2024 | タイ | 電子基準点 | 電子基準点に係る国家データセンター能力強化及び利活用促進プロジェクト(第1期)(第2期) |
2020-2022 | ギニア | アドバイザー | 地理情報システム人材能力強化アドバイザー業務 |
2019-2024 | バングラデシュ | 地理空間情報・地図 | 国家地理空間情報整備支援プロジェクト |
2019-2024 | インドネシア | 道路維持管理 | 地方道路維持管理能力向上プロジェクト |
2019-2022 | インドネシア | 国土管理 | 土地管理体制強化プロジェクト |
2018-2019 | インドネシア | 衛星解析 | ジャカルタ地盤沈下対策プロジェクト |
2017-2020 | アルバニア | 地理空間情報・地図 | ティラナ・ドゥレス地域デジタル地図作成能力向上プロジェクト |
ODAを通じた主な支援内容
支援1 国土管理における「地理空間情報・地図」の整備
インドネシア、フィリピン、カンボジア、バングラデシュ等のアジア諸国、ジブチ、ギニア等のアフリカ諸国において、国家の発展に必要不可欠な地理空間情報・地図(NSDI、GIS、地理空間プラットフォーム等含む)の整備を支援しています。近年では、衛星画像から地図作成を行い、都市計画や地籍調査等の国土管理へ寄与しています。
関連リンク:
支援2 「電子基準点」の整備や利活用支援
ミャンマー、バングラデシュ、タイ、カンボジア等に対して、電子基準点の整備や利活用の支援を行っています。近年では、JICA技術協力プロジェクトを通じて、カンボジア国土管理都市計画建設省(MLMUPC)へ電子基準点の整備・運用、データセンターの運営維持管理能力強化、利活用促進に係る技術支援を行いました。電子基準点の整備により、地籍調査の加速化、開発用地の測量の効率化などが期待されています。
関連リンク:
カンボジア土地管理及びインフラ開発のための電子基準点整備プロジェクト
支援3 「衛星画像」データ提供、衛星解析(AI、超解像度)サービス
森林保全、農業、地図作成、都市計画、災害復興、海岸監視、泥炭や地盤沈下監視等の様々な分野のODA案件へ衛星画像データの提供や解析支援をしています。JICAジャカルタ地盤沈下対策プロジェクトでは、JAXAのALOS-1, 2衛星のSAR画像から、地盤沈下の想定地域の抽出を行い、地盤沈下対策計画の支援へ繋げることができました。近年では、衛星画像とAI技術を用いて、効率的に家屋図、土地被覆分類等の主題図も作成し活用されています。
関連リンク:
支援4 「3D都市モデル」の整備や利活用
ODA被援助国の都市でも、スマートシティへの取組みが加速化しています。スマートシティにおける「まちづくりDX」では、都市デジタルツインとしてサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を融合させたシステムを構築し、経済発展と社会課題の解決の両立を目指した人間中心の社会(Society5.0)が求められています。ODAでも、Society5.0実現のために地理空間情報や3D都市モデルが注視され、パスコもそれら取り組みを支援しています。例えば、海外の都市においては、衛星画像からLOD1や2、現地計測データ(ドローンやMMS計測等)からLOD3の3D都市モデル作成支援を行います。
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支援5 「道路維持管理」支援
ASEAN諸国やアフリカ諸国における道路インフラは、その多くが先進国からの支援によって整備されてきましたが、建設から数十年が経過した道路が増加し続ける中で、中長期的な維持管理などの課題が発生してきています。パスコは、MMS等の計測技術やデータマネジメント技術などの道路アセットマネジメント分野における技術力で、道路インフラの維持管理を支援しています。
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支援6 地理空間情報や衛星データ活用の「コンサルタントやアドバイザー、調査」
日本や海外のプロジェクトで得た経験や実績を活かし、地理空間やリモセン画像(衛星画像等)の活用におけるコンサルティングやアドバイザー、各種関連調査を行っています。JICAのそれら分野の専門技術アドバイザリー業務や専門家派遣の実績があります。
調査事例:
カンボジアにおける調査
カンボジアの国土省(MLMUPC)を中心に、リモートセンシング画像、地理空間プラットフォーム、地形図データなどの地理空間情報全般のニーズ調査をし、カンボジアにおけるODAや現地資金によるビジネス可能性を検討。
カンボジア国土省(MLMUPC)での調査の様子