文化財業務支援

地下に眠る埋蔵文化財は、歴史を解き明かす無限の可能性を秘めた情報の宝庫です。発掘調査の支援には、経験豊富な調査員・調査補助員・作業員・測量スタッフが責任をもって対応し、活用できる情報の収集と記録に専念します。必要に応じて土木施工管理技士を配備して業務管理を一元化し、円滑で安全な調査を行います。

遺跡・遺構の現況や調査経過の記録保存には空中写真測量が威力を発揮します。撮影した瞬間がその遺跡の現地点での姿として記録され、測量データを伴う画像からは半永久的に3次元データの再現が可能になります。現地のさまざまな状況に応じて、移動式足場・高所作業車・ラジコンヘリ・ドローン・実機ヘリ・セスナや全方位斜め撮影カメラ、ALB（水中と地上を同時にレーザ計測）や水中測深と合成した成果作成等の撮影方法を提案・提供し、高精度3Dモデリングを実現します。撮影だけのご要望にももちろんお応えいたします。

発掘調査で出土した土器や石器などの遺物を洗浄・注記・分類・接合・復元し、実測図や観察表作成・写真撮影などを行い、報告書作成のためのデータ化を行っています。これらのデータは現場の測量データと関連付けを行い、DTPによる編集・校正・印刷により効率的な報告書作成に活用しています。必要に応じてGIS（地理情報システム）による遺跡情報管理システムに統合し、情報管理の一元化と共有化を提案しています。

石垣の保存・修復には文化財調査に基づく詳細な計測データが必要です。３次元レーザスキャナによる高精度な3次元データを取得記録して、将来にわたる保存・修復に活用できるデータを提供いたします。石垣の現況調査を行って石垣カルテを作成し、長期にわたる保存管理に必要な基礎資料を作成することで、史跡整備事業を支援しています。

• 特定建設業登録事業者として、石垣の復元工事の支援も行います

神社仏閣などの複雑な建物形状を、3次元レーザスキャナを用いて短時間のうちに高精度な計測を行います。3次元計測デジタルデータをからは、地形図・平面図・立面図・断面図などの各種図面が、必要に応じた縮尺で迅速に作成できます。保存・修復・復元のための基本データ取得を支援し、3次元空間情報を最大限に活かす方法を提案します。

地中レーダを用いた地下探査を行って遺跡の規模や状況を事前に把握することで、効率的な発掘調査計画や整備計画の立案に協力しています。地中レーダの普及を促進し、調査研究の可能性を広げる試みを支援しています。

平成24年に水中遺跡としては日本で初めて長崎県の鷹島神崎遺跡が史跡に指定されて以来、水中文化財の調査や保護がクローズアップされています。
パスコはいち早く水中文化財の調査に参画し、パスコのもつ海洋調査技術を活用し、水中文化財の調査研究や保護検討業務に寄与しています。

地域の博物館には、旧来からの「収集・保管、公開・教育、調査研究」の目的に加え、地域の文化情報発信、文化の体験・共有、活用の拠点としての役割が求められています。パスコは蓄積された文化財技術を駆使し、地域の共有財産である文化財をいかに保存しながら「見せる」かに貢献します。博物館の施設計画にはじまり、展示の企画・製作・運営支援まで幅広くサポートしています。近年ではデジタル博物館の取組みを支援し、文化財のデジタル化・コンテンツ化に注力しています。地域の空間情報提供・計画策定を担ってきたパスコは、地域の文化財の拠点である博物館のサービス向上にも寄与します。

遺跡はもとより、文化財建造物や名勝など、地域の誇りである史跡や景観の保全について、文化財の調査から保存・整備・利活用にいたるまで一貫したスタッフで取り組んでいます。地域をかたち作ってきた歴史的・文化的景観を総合プロデュースすることで、地域に暮らす人々を支援し、新しい地域づくりに寄与しています。

人類の歴史を語る遺跡や遺構・遺物は全世界に存在しています。世界の文化財を対象に、3次元レーザ計測による現状の記録や周辺地域を含む地形図作成などを行い、将来に保存・活用されるべき高精度な計測情報の提供やアーカイブ作成に幅広く協力しています。

遺物実測図作成システム（スリースペース・通称M3Di）および遺跡分布図・遺構実測図作成システム（通称T3Di）は2022年12月31日（土）をもちまして後継機の開発も含めて販売を終了いたしました。
なお、本件に関するお問い合わせは以下にご連絡いただけますよう、お願いいたします。

お問合せ先：株式会社パスコ 遺物・遺構システムお問合せ窓口
TEL：03-5435-3682　mail：bunkazai_inquiry@pasco.co.jp